音声入力ならブログが速く書けるとか、いや音声入力でまともな記事は書けないとか、音声入力に対する評価は色々あると思います。
速さだけが取り上げられることが多いですが、体への負担が少ないというもうひとつの大きなメリットもあります。
この記事では音声入力のメリットとデメリットをあげていき、音声入力とタイピング入力の違いもあげてみます。そして、タイピングが苦手なら音声入力が執筆の助けになるかもしれないということを共有したいと思います。
音声入力のメリット
速く入力できる
喋ればそのまま文字になるので、タイピングよりも速く入力ができる。自分用のメモなどは圧倒的に速く入力できます。
ただ、ブログ記事など人に見せるものの場合は、それなりの文章で入力していかなければいけないので慣れが必要です。
労力が少なくて済む(体に優しい)
しゃべるだけなので長時間入力しても疲れない。タイピングしすぎて腱鞘炎になったりしないし、長時間座り続けて腰を痛めるということもありません。
気持ちも楽になります。入力自体のスピードが出るので焦らなくていい。
労力という点でいえば、もっとも労力を使わずに文字を入力できる方法だと思います。
まとまった時間を取らなくていい
パソコンの前に座って記事を書くとなると、ある程度まとまった時間が欲しいですよね。
でもスマホの音声入力なら、スキマ時間、たとえば5分あるから少し喋っておこう、ということができるようになります。
場所を選ばない
スマホで入力する場合はパソコンの前に座って作業する必要はないので、アプリさえ起動しておけばどこでも入力ができます。
ただ、静かにしなければいけない図書館とか、周りに人がたくさんいて声を出すのがはばかられる場所では入力は不可能です。
場所によっては、スマホを耳に当てて電話で話しているふうを装うことはできます。この時はスマホの画面に触れないようにしないと、アプリの広告に触ってしまったりするので注意が必要です。
読者を意識することができる
話しかけるような気持ちですることができるので、記事の向こうにいる読者を意識することができるかもしれません。
そういえば、ツインピークスの捜査官はボイスレコーダーに向かって「ダイアン、」と名前を呼びかけてから喋っていましたね。(あれは、読者を…というより、喋りやすい気持ちにするためかな?と思いますが)
私はまだまだ話しかけるような気持ちで入力はできていないんですけど、そうできるように早くなりたいと思います。
白い画面の恐怖から解放される
パソコンの何座って作業する場合、入力画面を見ながら、例えばGoogle ドキュメントの白い画面を見ながら内容を考えながらタイピングします。
書く直前まで頭の中でいろいろの言葉が浮かんでいたのに、白い画面を見たとたん、それが思い出せなくなるという経験が私にはあります。手書きの場合も、白い紙を目の前にすると頭まで真っ白になるということもあります。
音声入力の場合は白い画面に向かわなくても、何かが頭に思い浮かんでいる状態のまま、スマホに喋ればいいので、白い画面に頭の中まで真っ白にされるということはなくなります。
編集力が上がる
音声入力した原稿は必ず編集する必要があるので、編集に慣れて、編集力が上がります。
音声入力のデメリット
音声入力は絶対に編集が必要
誤認識は絶対になくならないので、音声入力後は必ず編集するつもりで喋ります。誤字脱字はチェックツールを使えば短時間で修正できます。
編集の手間は準備次第で減らせる
無計画にしゃべってしまうと、編集がすごく大変です。
これは音声入力もタイピング入力も関係なく記事を書くときに必要なことですが、記事の内容を決めて記事構成を作っておくようにします。タイトルは仮タイトルで構わないので、記事の見出しと、各見出しに入れる内容の概要を書き出しておきます。それを見ながら入力すれば、誤字脱字や文章の修正だけで済みます。
しかし、何についての記事ということだけしか決めずに喋り出すと、話す順番が適切でなかったり、必要な情報と不要な情報の判断がされなかったりします。そうすると後の編集の労力が大変になります。音声入力の「速く記事が書ける」というメリットを享受できないということになります。
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この準備をする時間を考えると、いくら音声入力が速くてもトータルの時間はあまり変わらないからメリットはないという意見を見かけました。準備無しで記事を書き始めてもそれなりに短時間で書けてしまう人には、速さの面では、あまりメリットはないかもしれません。
書き言葉と話し言葉は違う
普通に話をするような調子で入力すると、全部話し言葉になるのでそのままでは記事に使えません。編集の手間が膨大になります。文章を思い浮かべてそれを喋っていく必要があります。
また、「音声入力はエッセイなどは向いているかもしれないが、論理的な文章には向いていない」という内容の記事がいくつかありました。できないということではなく、やりやすいかやりにくいかということです。
変換しにくい言葉がある
例えば固有名詞とか。小説を書く場合などは登場人物の名前が変換されにくかったりします。
これは、該当する言葉を別な言葉(文章中に出てこない言葉)で入力しておいて、後でまとめて検索置換すれば解決します。この記事で知りました。
記号などは入力しにくい
Googleでも句読点や改行が入力できるようになりました。しかしiOSでもGoogleでも、記号など入力しにくいものはたくさんあります。
恥ずかしい
まわりに人がいる場合は音声入力がしにくいですが、慣れていないうちは一人のときでも恥ずかしいものです。
誰が聞いているわけではないんですが、一人で、しかも何か文章っぽいことを不自然に喋っている自分が、自分で恥ずかしくなります。たぶん小説の文章とかだとさらに恥ずかしいかもしれないです。
途中で話しかけられると入力されちゃう
小声でぼそぼそ喋っても意外にちゃんと入力してくれるので、少し離れたところで別の人が大きい声で喋っていても入力されたりします。入力中に話しかけられて返事をしたりすると、それがずらずらと文字になっちゃったりもします。
タイピング入力と音声入力
タイピングは考えながら入力する
今までタイピングで記事を書いていた人は、タイピングの速さで文章を考えることに慣れています。
文章を書くときの思考のスピード = その人のタイピングのスピード
ということになります。
音声入力は喋りに思考が追いつかない
タイピングの思考スピードのまま音声入力をしようとすると、思考が喋りに追いつかないということになります。
タイピングの時は文章を考えながら整えながら入力しています。これと同じことを普通に喋るスピードでやろうとしても無理です。
タイピング検定1級は10分で800文字だそうですが、聞きやすいスピードでしゃべった場合の文字数は1分で300文字程度。喋りは10分で3000文字です。タイピング検定1級の約4倍です。
音声入力の場合はきれいに整った文章を入力しようとしなくていい。音声入力は後で手直しが必要になるのでそのつもりで身構えずに話せばいいのです。そしてゆっくり話してもいいんです。音声入力だから早く入力しなければいけないということはないんです。
タイピングが苦手なら、音声入力で執筆のハードルが下がる
- タイピングは苦手なのですらすらと文章を書けない
- 思ったことを口に出せばそれが文字になるので音声入力の方が早い
- タイピングに慣れていて音声入力のスピードに思考が追いつかない
- 音声入力だとクオリティが下がりそう
タイピングと音声入力に対する意識は人それぞれ違うようです。
ただ、タイピングが苦手だとか、タイピングをする気力体力がないという場合。記事の大まかな内容を音声で入力しておいて、後でタイピングで修正するという方法をとれば、タイピングが最小限で済みます。
タイピングによる執筆作業のハードルを感じているなら、音声入力をぜひためしてみてください。
まとめ
私はじつは、音声入力をちょっと試したことがあるけどぜんぜん喋れなかった、という経験があります。速く入力できるというメリットは最も多く取り上げられていると思うのですが、これには「慣れ」が必要でした。
そして速さだけではなく、体への負担が少ないというメリットがありました。むしろこちらを重視してもいいと思います。
ゆっくり考えながら入力するから速さというメリットは享受できなくても、ラクに入力できるという体の負担に対する恩恵は十分に享受できると思います。
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