紙の本を出したい人へ!Kindleでペーパーバック(プリントオンデマンド・POD)を作った手順8つと考えたこと

White Printer Paper on Brown Textile

紙の本を作ってみたい!」と思ったことはありますか?(商業出版ではなく、個人レベルの話ですよ!)
2021年10月からKindleでペーパーバックの出版が可能になり、個人で紙の本が気軽に出せるようになりました。さっそく私も出版したので、出版方法の手順と出版過程で考えたことをこの記事にまとめました。

個人レベルの紙の本はいろいろありますが、そこにKindleペーパーバックという選択肢が増えました!

  • こだわりを感じるリトルプレス(少部数発行する出版物)やZINE
  • 手作り感あふれる(そして50代の私には懐かしい)コピー本豆本手製本
  • 情熱あふれる同人誌。資料、論文、カタログ、マニュアルのキンコーズ製本
  • たくさんお金がかかりそうな自費出版
  • 低コストで出版、Amazonで販売できるKindleペーパーバック ←新たな選択肢です!

Kindle出版で日本でも可能になったペーパーバックってどうなの?

Kindle本とペーパーバックの違い(形態・出版目的)

Kindle本

Kindle本(電子書籍)は読むための端末と電気が必要です。

出版コストと収益はこんな感じ。

  • 出版にコストがかからない(0円でもいける)
  • 収益が多い。ロイヤリティは最大で70%。さらにKindle Unlimited(読み放題サービス)で読まれたページ数に応じて収入がある
  • 表紙画像とタイトルが売上を左右する

電子書籍は少ないページでも出版できるのが良いところでもありますが、最近は少ないページ&多い改行のKindle本が増えたなぁ……という印象を私は持っています。(もちろん、そうでないものもたくさんあります)

出版の目的も「作品を世に出したい、伝えたい、本を出して印税収入を得たい」というのは当然のことなので賛同できます。しかしそれ以外の目的があることを知って驚きました。ブランディングや営業ツール、SNSのような感覚の出版もあるようです。こうなると「本」という感じではないなぁ、と思います。

ペーパーバック

普通の本と同じです。手元にあればすぐに読めます。端末も電気もいりません(明かりは必要)。

出版コストと収益はこんな感じです。

  • 出版にコストがかからない(0円でもいける)
  • 収益が少ない。ロイヤリティの60%から印刷コストが引かれる
  • 表紙画像とタイトルが売上を左右する

始まって1ヶ月のサービスなので、出版されている本の傾向はわかりかねますが。試しに出してみた的な、利益0円の本がいくつか見つかりました。(少しでも利益出していいと思います。商業出版で印税4%てのもありますから。)

ペーパーバックの価格や印刷コストが高い、という感想がネット上でいくつか見られました。
電子版は出すけどペーパーバックは利益が少ないから出さないと明言されてる方もいました。

これは何を意味するかというと、ペーパーバックで出版されているのは本当に「紙の本」を作りたい人の本だということです。

ペーパーバックとは?

これが端的でわかりやすい説明でした。

ペーパーバック

1.紙表紙の簡単な装本。▷ paperback

Oxford Languagesの定義

洋書によくある、カバーや帯が付いていない本です。日本の本は基本的にカバーが付いていますが、海外ではそんなこともないようです。カバーが外れる心配がないので片手でも読みやすいという感想を持つ方もいます。

ソフトカバーの表紙と帯を外した中身のようなもの、で説明あってるかしら。

文庫本のカバーと帯を外してみました。この中身だけの感じです。ただ紙質とかはこの文庫本のほうがずっと上質です。

プリントオンデマンド(POD)で受注後に印刷製本、一冊でもOK

Kindle出版のペーパーバックは、注文が入ってから印刷・製本して出荷します。一冊から注文できます。送料や到着日数は、普通の本と同じでした。

出版者としては、在庫負担なし(SDGs的でもある)、費用も不要なので非常に都合がいいです。ありがたいです。

ただ、ペーパーバックなので綴じ方や紙は限定的です。綴じ方は無線綴じ、紙の種類は3種類。体裁が気に入らないという人もいるかもしれません。

Amazonで販売される

Kindle出版なので、Amazonで普通に買えます。在庫切れになりません。

たとえば、地元でしか手に入らないような地方のローカル情報誌のデータをKindleペーパーバックで出すと、遠い場所に住んでいる人でも普通に買えるということです。アメリカからでも買えます(たぶん)。

ネックはやはり価格かもしれません。
本文24ページからペーパーバックにできますが、価格はこのようになります。
それなら電子版でいいよって言われたらそれまで。

本文ページ数印刷コスト最低希望小売価格
白黒24~108400666.67円
プレミアムカラーインク24~40475791.67円
これ以上のページ数の場合は別の計算方法になります。どちらも828ページまで可能。辞書か?(笑)
カラーには標準カラーの選択肢もありますが、Amazon.co.jp では利用できないそうです。

表紙はどちらもカラーです。光沢あり・光沢なしが選べて、料金は同じです。(光沢ありのほうが違和感ないと思います)

印刷コストの計算に版型が考慮されないので、四六判でもB5サイズでも印刷コストは同じです。

最低希望小売価格(ロイヤリティ0円)以上の値段をつけないと利益は出ません。

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Kindle出版でペーパーバックを作ってみた!出版方法8つの手順

私はちょうど、小説を電子書籍として出版したところだったのですが、出版ボタンを押した後にこんなウインドウが出ました。

ペーパーバックどうしようかなと迷っていたところに、これが出てきました!

これは、いいタイミングかもしれない。試してみますよ!

ちなみに、すでに出してある電子版のペーパーバックを出したいときは、マイページのここから開始します。

マイページの各本に「ペーパーバックの作成」ボタンが追加されてます。

ペーパーバックだけを作るときは、右上の「+ ペーパーバック」からね。

マイページの右上に「+ ペーパーバック」ボタンが追加されています。

Amazonのアカウントを持っていればKDPにもログインできます!

※まったく余談なんですが、マイページでKindle本(電子版)のところに表示されている価格は税込みなのだそうです。ここから消費税分が引かれ、それをもとにロイヤリティが計算されるそうです。ペーパーバックのところには税抜き価格が表示されています。この差はいったい何故。

1.本の詳細を記入

ペーパーバックの詳細設定をする画面が出ます。電子版と同じ情報がすでに入力されています。そして電子版のときより項目が少なくなっています。

電子版なしでペーパーバックだけ作るときは、ここに記入していきます。

キーワードとカテゴリーの決め方がいまいち把握できていないです

保存して続行します。

2.版型を決める

次の画面に行くと、コンテンツの設定画面になります。まずは何も入力せずに、準備が必要なものをメモります。メモったら画面を閉じて、準備。時間がかかります。

版型はこんな感じから選べます。独自のサイズも設定できるようです(!)すご。

「すべての標準サイズを比較」を、クリックしてみればよかった……

私は小説本っぽい体裁で作りたかったので、四六判(127×188mm)にしてみました。

左の四六判が完成したペーパーバックです。自分で表紙デザインしたのでダサくて泣けますがそれでも気に入ってます。

このときは頭になかったんですが、B5版で4段組とかにするとページ数がぐっと節約できて、価格を安くできることに後で気づきました。(そうすると小説本っぽくないですが、同人誌的な熱さは感じます)

3.本文を用意

本文・表紙ともにPDFファイルでアップロードする必要があります。

裁ち落としのありなしで、PDFのページサイズと周囲のマージンの取り方が違います。
版型・断ち落とし・マージンの設定をよく読んで、どちらにするか決めよう!

文章主体(裁ち落としなし)の本文

小説など、画像をページの端まで印刷する必要がない場合

  • ページサイズは版型どおり
  • 外側マージン(上・下・と小口側の余白)は6.4mm以上
  • ページ番号もマージンにはみ出さないようにします
  • ノド側(綴じる側)のマージンはページ数により変化(ヘルプ参照
  • 画像を含める場合は300dpi以上

PDFで保存します。(要フォント埋め込み)

ページの端まで画像を印刷する場合(断ち落としあり)の本文

雑誌のように、ページの端まで画像を印刷したい場合

  • ページサイズは版型より大きく(縦6.4mm、横3.2mm大きくする)
  • 外側マージン(上・下・と小口側の余白)は9.6mm以上
  • ページ番号もマージンにはみ出さないようにします
  • ノド側(綴じる側)のマージンはページ数により変化(ヘルプ参照
  • 画像は300dpi以上

PDFで保存します。 (要フォント埋め込み)

使用ソフトは?

文字主体の場合はワープロソフトを使っていればPDF出力できると思います。

裁ち落としで作りたいときは、雑誌みたいに紙面をデザインできるソフトが必要ですね。

業界最高峰といわれるAdobeのInDesignを普段から使ってる人が羨ましい限りです。
私も次の本のためにInDesignの代替でAffinity Publisher(7,000円で買い切り)を準備しようか、しかし縦書きに対応していないのは痛いなぁ、と迷いに迷っていました。

ところが。この記事を書きながら、思いがけない解決策が見つかりました。

CLIP STUDIO PAINT EX は小冊子作りPDF書き出し可能のようです

クリスタ( CLIP STUDIO PAINT)はイラストやマンガを描くためのソフトですが、EX版は複数ページの管理が可能で、小冊子を作るための設定も普通にできます。

料金形態は二通り。

  • 買い切りはWindows・Mac用で23,000円
  • サブスクは月あたり650円(1デバイスプラン年額7,800円の場合)~

サブスクは月額プラン(980円)もあるので、使うときだけお金を払うというのもありかも。
どの程度作り込めるのかはわかりませんが、InDesignのサブスクよりは確実に安いです。

クリスタはページ数が100ページ上限のようですね。

あと、打ち込んだ文字がPDFでは画像になっていますね。印刷するのだから支障はないのかなとも思いますが。

当記事後半「使用ソフトについての補足」で、広報誌作成ソフトについてもう少し紹介しています。

目次にはページ数を書き加える

電子版のデータを使ってペーパーバックを作る場合ですが、気をつけたいのは、目次です。

電子版はリンクされるのでページ番号を書く必要はありませんが、紙の場合は目次にページ番号を書き加える必要があります。

4.表紙を用意

表紙の寸法計算には、版型・本文用紙・ページ数が決まっている必要があります。

表紙は「印刷用の表紙計算ツールとテンプレート」に各数値を入力して「サイズを計算」を押すと、必要な寸法が表示され、テンプレート画像がダウンロードできるようになります。

ダウンロードしたファイルの中のReadme.txtに、テンプレートの使用方法が書いてあります。簡単にはこんな感じ。

画像編集ソフトで画像を開く

これをガイドレイヤーとし、新規レイヤーを使って表紙画像を作成

不要なレイヤーを削除

CMYKモード、プレス品質でPDF出力

私はドローソフトの Affinity Designer を使いました。
もともと持っていたからですが、クリスタでもいけるかもしれません。
(ちなみにAffinityDesignerたちはコロナ禍に半額で提供されていました。私もその時期に買いました。ドローソフトはあると便利なので…)

ダウンロードしたテンプレートファイルです。これをガイドに表紙を作成します。

Affinityたちは今のところ縦書きに対応していないので、背表紙の文字は一文字ずつアウトラインにして並べて何とか取り繕いました。はやく日本語縦書きに対応して欲しいです。

5.ISBNを取得、PDFデータをアップロード

本文と表紙のPDFデータが用意できたら、コンテンツの設定画面を開きます。

無料のISBNを取得して、出版日は空欄のまま、本文と表紙のPDFファイルをアップロードします。アップロード完了後、プレビューで確認できるようにするための処理が行われます。すこし時間がかかるので、お茶でも飲みながらのんびり待ちます。

プレビューが可能になったら、かならず確認します。エラーがある場合は左側に表示されます。

下の画像は修正してアップロードしなおした後の、エラーなしのものです。

1回目はページ番号の数字が点線からはみ出していたのでエラーになりました。

版型の大きさと違うよ!っていう謎のエラー表示もされました(違わないのに)。
他のエラーだけ直して再アップロードしたら、ちゃんと通りました。不可解なエラー表示が出ることもあるみたいです。

エラーがなければ「お疲れさまでした」とねぎらいの言葉がもらえるので、右下の「承認」を押してプレビューアーをとじます。

すると、概要と印刷コストが表示されます。確認して、「保存して続行」を押します。

6.とりあえず校正刷りを取り寄せる

ペーパーバックの価格設定をするページが開きますが、このページの一番下に「この本の校正刷りを依頼」の文字が見えます。

余白の設定はこれで適当なのか。光沢なしの表紙はどんな感じなのか。
確かめてから出版したかったので校正刷りを依頼しました。

校正刷りは印刷コスト+送料がかかります。
依頼後、数時間で準備ができたよというメールが来ます。
24時間以内にメールからショッピングカートに移動して注文を確定させます。

金曜日に注文して日曜日到着。わりと普通の日数で届きました。校正刷りには再販禁止の文字が帯状に印刷されています。

表紙「光沢なし」「光沢あり」の違い

左が校正刷り、右が修正して出版したもの。

校正刷り(左)と出版したもの(右)との比較。
光沢なしの表紙は「今まであまり触ったことない感じの、引っかかる手触り」でした。変な感じ。
なので、出版は光沢ありの表紙に変更しました。結果は予想通り、本の表紙としてなじみのある手触りでした。発色もきれいです。

校正刷りはISBNが印刷されていません。

余白の具合を確認(1mm程度のズレを見込んで設定するのをおすすめ)

なにしろ素人なので、余白をどのくらい取れば体裁よくなるのかがわかりません。PC画面と実物はきっと印象も違うだろうから、実物を見て確認したかったのです。

校正刷りのページを開くと、なんだか狭苦しい印象。
ぱっと見た感じ、上の余白が狭いです。実際に測ってみると、設定した寸法より1mm狭くなっています。下も測ってみると、1mm広くなっていました。
設定したもともとの寸法もバランスが悪かったと言えますが、ズレることも考慮したほうが良さそうです。(実際、出版後のものも若干のズレがありました)
あと、ノドが狭い。

ワープロソフトを開いて、周囲とノドの余白の寸法を訂正しました。すると、ページ数が増えてしまいました。
ページ数が変わると背表紙の幅が変わるので作り直さなくてはならない。面倒。
行間を調整したり、多めにとっていた空行を減らしたりして、なんとか同じページ数におさめました。
結果、少し狭くなった行間のおかげで、まとまりが出たように思います。

そもそも写真の撮り方がヘタですね(-_-;)。左は上部とノドの余白が少なくて圧迫感があります。修正してまあまあ良くなりました。

参考までに。修正後の余白は、ノド側20mm、小口側11mm、上13mm、下15mmです。

7.十分修正したデータを再アップロード

修正した本文データをアップロードして、プレビューアーで確認します。
問題なければ「承認」、「保存して続行」して、価格設定に進みます。

8.価格を決めて出版

価格設定ページでも計算はできるんですが、スクショをとり忘れました。なので計算ツール。(ペーパーバックの印刷コスト

税抜き販売価格の60%がロイヤリティ(ここから印刷代が引かれる、Amazonの取り分が40%。
最低希望小売価格がロイヤリティ0円の状態。これを下回る価格は付けられない。

ここで、ロイヤリティをいくらにするか、いくらなら買ってもらえるか(自分だったらいくらで買うか?)の葛藤が始まります。私は、

  • 印税率を普通の紙の本くらいにしたい
  • 自分は小説本をいくらなら買えるか

というのを天秤にかけて、このくらいの価格にしました。税込みだと1,485円になるので微妙に高いかなとも感じますが。印税はこれで11%くらい。商業出版だとしたらすごくいい印税率です。

商業出版の印税率、昔は10%と言われていたけど、今は5~10%とか、5~8%という記述が検索で見つかりますね。
知人で著書のある人がいるんだけど、その人は4%らしいよ。

……。

電子版は印税70%にも設定できるのに価格はずっと安く設定できる。
それは、紙代も印刷製本代もかからないから。
もし商業出版なら他にも色んなコストが必要だろうから、紙の本の印税率がなぜ低いのかが理解できるような気がします。

ロイヤリティを0円にして、印刷所として利用してみる?

さてここで、ロイヤリティ0円にするという選択肢もあるよ、という話。

わりとお得そうな最低希望小売価格を探してみると……

モノクロ110ページ659円税抜(ロイヤリティほぼゼロ、正確には0.4円)というのが出てきます。サイズは大きいほうがお得です。

これは、110ページのペーパーバックを659円(+消費税)で印刷製本してもらえるということ。売って利益を得るのではなく、必要なときに必要な部数だけ印刷してもらうために出版しておくという考え方もアリだと思います。

そうすると、110ページB5版を659円で印刷製本してもらって、それを自分で手売りすることも可能なわけです。印刷所代わりにしたら怒られないかと思うかもしれませんが、Amazonにも利益が出てるので怒られないと思います。(印刷コストは395円、Amazonの利益264円)

ちなみに、プレミアムカラーの110ページだと1,025円ですね。
印刷コスト615円、Amazon410円。

それでね……。

もし何かのきっかけで大量に売れるようになったらどうするか?
もともと儲ける気がないのだからそれでも良しとするか?

って考えたのね。
私は欲深いから値上げするかも。^^;
それなら、はじめから少しだけ利益をのせておくか?
本当に大量に売れたら印税10円でもそこそこの金額になるし。
なんてことも妄想しました(笑)

でも、「著者用コピー」があるんじゃないの?
印刷コスト単価でコピーを注文できるっていうやつ。

残念ながら、
注: 著者用コピーは kdp.amazon.co.jp ではご利用できません。
と書いてありますね。

販売可能になるまで数日かかる(電子書籍とリンクされる)

価格設定をして、右下の「ペーパーバックを出版」ボタンを押すと、出版手続きは完了です。

購入可能になるまでの期間は、ペーパーバックだけを出版するなら電子版同様のスピード感らしいのですが、電子書籍とペーパーバックのリンクが必要な場合は時間がかかるようです。

私の場合、11/8に販売開始のメールが来ていましたが、Amazonの商品ページから購入可能になったのは11/11でした。

メールで案内があった通り、電子書籍版とリンクされるのにしばらくかかり、在庫ありで購入できる状態になるのに数日かかりました。メールが来たのは 「ペーパーバックを出版」ボタンを押した12時間後くらいでしたので、そこからさらに3日程かかったということです。

出版後に修正・改訂版を作ったときは、データをアップロードし直せばOK

出版後(購入可能になった後)に、修正した新しいデータをアップロードして再出版した場合。
販売開始のメール連絡が来たら、データは新しいものに置きかわっているそうです。次の注文から新しいデータで印刷製本されます。

このへんはオンデマンドのいいところです。笑

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PDFさえ準備できれば、ペーパーバック出版は難しくない

KDPからペーパーバック出版可能のお知らせが来てから気になっていたので、作った人はいるかな?とネット検索してました。

だけど見つかるのは「難しくて価格設定まで行けなかった」とか「マージンとか裁ち落としが難しくて初心者には現実的じゃない」といったもので、やっぱり私にも無理かなと思いました。

そんなときに見つけたのが笹帽子さんの記事。(当記事の最後にもURL紹介してます)データの準備から出版手順、実際の本の仕上がりまで事細かに書かれていて、たいへんに参考になりました。この記事がなかったら、私はペーパーバックの出版なんてできませんでした。感謝しています。本当に。

実際に作ってみて、つっかえそうなところはたぶん3つくらいだと思いました。

  • マージン(余白)の設定を間違えないこと
  • 本文を裁ち落としにするなら、本文ページの寸法に注意(版型より大きくする)
  • 表紙を印刷用(CMYK)PDFで出力すること

あとは落ち着いてやれば大丈夫。

使用ソフトについての補足

文章主体

文章主体の場合。たぶんPDFの書き出しはほとんどのワープロソフトができると思います。それよりも、冊子用の余白設定(ノドの余白設定)ができるかどうかが問題です。できない場合、ノドと小口側を同じ余白にしなくてはいけません。

Macには冊子づくりに使えそうなPagesがプリインストールされていますが、Windowsにはそのようなものはありません。Windowsユーザーの私は一太郎を購入して使っていたので、一太郎でPDFを作りました。

スマホやWebツールにも小説本向けのがたくさんありそうです。

小説本を作るためのスマホアプリ・Webツールがむっちゃたくさん紹介されています。

画像と文章のレイアウト

画像と文章をレイアウトしたい場合。

InDesignかAffinityPublisherかクリスタEXか。私が思いついたのはこれくらいでしたが、「広報誌作成ソフト」としてこちらで色々紹介されていました。

無料のbookumaは印刷会社が提供しているツールで、作成したPDFを他の印刷所へ入稿するのは禁止!だそうです。

ここで紹介されているパーソナル編集長いいじゃん!と思って見に行ったら、バージョンアップされて2万円近い価格になってました。

でも機能限定版(グーグルドキュメントとの連携ができないなど)が安く提供されているので、そちらでも間に合いそうです。

2021.11.24追記 この記事を書いていたときに見に行ったら機能限定版(6,000円程度)の案内があったのですが、今見に行ったらページが一新された?ようで、機能限定版が見当たりませんでした。非常に残念です

いずれ日本語縦書きに対応してくれることを期待して、Affinity Publisherの購入に踏み切ろうと思います。しばらくは横書きで本作ります。

表紙(CMYKのPDF出力)

InDesignやクリスタなど冊子が作れるソフトを使った場合は、そのまま表紙も作成可能だと思います。そうでない場合、表紙用に別のソフトを準備することになります。Illustrator、Photoshop、……。

私はAffinityDesignerをたまたま半額で買っておいたのでラッキーでした。(でも縦書きができないので背表紙にちょっと苦労しました)

Canvaが利用できないかと思ったのですが、6,517×4,592pxの大きな画像は扱えませんでした。有料プランなら扱えるのか?「PDF(印刷)」でダウンロードしたデータはKindleペーパーバックで使えるのか?など、試してみないとわからないことだらけです。(Canvaの有料プラン使っている人は試してみてください!)

ちなみにCanvaで印刷用データを作る手順を詳しく解説している記事がありました。名刺サイズですが。

費用0円も可能

電子版の作成と同様、ペーパーバック版もデータをアップロードして出版する際に費用はかかりません。唯一、校正刷りを依頼した場合の実費がかかるだけです。

私も校正刷りの代金、送料込み1,069円が唯一の費用でした。
同じ体裁で続編を出す場合なら校正刷りも必要ないので、費用0円が実現します。

新たにソフトが必要になって購入したり、データ作成を外注したりすれば費用は発生しますが、そうでなければ非常に低コストで紙の本の出版が可能です。

試しにペーパーバックを作ってみて良かったこと

手軽に紙の本づくりを試せる

今まで同人誌やリトルプレスに挑戦したことがないので、印刷所へデータを入稿するという経験は今回が初めてでした。
いくらKindleとはいえ、印刷用データ作りは難しいものだろうと思ってビビっていましたが、やってみるとそうでもなく、私にもできました。

プレビューアーでエラーがないか確認できるし、表紙もテンプレートを使えるし、校正刷りも確認できる。変な本が出来上がるんじゃないかという心配は無用でした。加えて、お金がかからないというのも「試してみる」ことの大きな理由になりました。

私にもできました!(みんなもやってみよう!)

紙面に対する気持ちが変わる、かも

実際にペーパーバックが販売開始になってすぐ、自分の本を買いました。

手元に届いた、実際に存在するモノとしての紙の本。私が3ヶ月半の時間をかけて人生で初めて書いた小説。こうして手元に1冊あるだけで正直満足です
あとは電子版が売れてくれたらいいや。(笑)

でももし、たとえば、短編童話集を作るときには、大きめの版型で段組みにしてページを節約して、ぎゅっと詰め込まれた感じの本を作ってみたいと思いました。
あるいは、別のテーマで画像と文章を隅々まで配置した、もっと熱い(?)本を作ってみたい。
情報が詰め込まれていると楽しいよね。

ページを節約すれば、価格を安くできます。しかしそれに加えて、せっかく紙を使って人の手も借りて作られる「紙の本」をスカスカなものにしてはいけないと私は感じます。
限られた紙面に精一杯の情報と気持ちをのせたい。
本という物体としてあることは、偶然の出会いをうむ可能性も増えるということです。何かのご縁で本を手にとってくれた人をがっかりさせたくないという気持ちが生まれます。

電子版を作るときとは違った気持ちになるし、違った楽しみがあるんだと実感しました。

まとめ

Kindle出版でペーパーバックが出せるようになったので試してみました。ちょうど小説の電子版を準備していたところだったのでタイミングが良かったです。笹帽子さんの記事に出会ったこともラッキーでした。

Kindle出版というと「いかにラクに儲けるか」という感じの話が目につくこの頃です。しかしペーパーバックは電子版に比べるとロイヤリティがとても少ないし、紙面づくりも手を抜けません。「紙の本を出すこと、そのもの」を動機とする人でなければ出版しないだろうな、と私は思っています。

紙の本を出してみたい人
紙の本を出してみたいと思ったことがある人
印刷屋さんに頼むのは気後れするけどKindleならできるかもって思った人
売れなくてもいいから自分の好きなように本を作ってみたい人。それから、それから。

まず1冊、Kindle出版で紙の本を作ってみませんか?

この記事を書くのに(そしてペーパーバックの出版に)参考にさせていただきました。

いちはやくペーパーバック出版をしてくださった笹帽子さんの記事たち。現時点でペーパーバック出してる人たちはきっとみんながこれ読んでると思う。笹帽子さん、本当にありがとうございます!


最後に。

電子版もあります。読んでいただけるとすごくすごく嬉しいです。

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