
じつは心に引っかかり続けていた、縦書きPDFをおカネをかけずに作りたいという問題。
これがやっと自分の中で解決をみたので、記事にして共有します。
*
*
四年前、「橋の上で」を書いたときはワープロソフト(一太郎)をわざわざ購入して執筆したので、PDFも一太郎で作成しました。
なんという気合の入れようだったのでしょうか(笑)。
その一太郎はまだPCに入っていますが、とっくにサポート期限が切れていまして、「新しいのに買い替えませんか!」っていうメールがいっぱい送られてきています。当時は十万字をシンプルなテキストエディタで書くのは不便そうな気がしてワープロソフトを導入したのですが、今はスクリブナー(Scrivener)を便利に使っているので長文でも不便はありません。そして一太郎は高いしちょっと重いので買う気はありません。
Scrivenerについてはこちらで書いております。
シンプルなテキストエディタやスクリブナーなんかを使った場合、困るのは「日本語縦書きPDF作成」ができないこと。つまり、これさえできればエディタが何であろうとKindleペーパーバックで縦書きの本が作れるのです。
そのツールを探してみましたよ!っていうのが今回の記事です。
日本語縦書きPDFを無料でつくれるツール(PDF生成ツール)文章主体向け
シメケンプリント
とりあえず、二つ見つけました。まずは「シメケンプリント」。
それほどサイズやレイアウトにこだわりがなければ、シメケンプリントさんが手軽でよいと思います。サイズやレイアウトの選択肢は少ない(A6、B6、A5、B5、段組は二段のみ)ですがそれなりにイイ感じにできるので、難しいことを考えなくてすみます。すでに二冊分お世話になってます。
ただし、文庫版(A6版)はKindleで対応していません。ちょっと残念。文庫版作りたかった、、
余白について一点注意:A5二段組でページ数の位置を下中央の場合は問題ありませんでしたが、B6段組みなしでページ数の位置を下中央にするとKindleのチェックで余白エラーになりました。ページ数の位置を上外に変更したら問題なく通りました。他の版は試していないのでわかりませんが参考までに。
威沙(イズナ)
それから、威沙(イズナ)。
威沙はかなり細かいレイアウトができるらしいのですが、少々難しい印象も受けます。ちょっと試してみたのですが、なかなか意図通りにいかなくて早々にあきらめました。じっくり取り組むことができるなら、こちらがいいかもしれません。
Vivliostyle
簡単なのかもしれませんが、コマンドラインという言葉が入ってるのでハードル高そうに感じます。ゆえに手出ししてません。
他
そして、こちらはサイズがA4版。サイトにも書いてありますが、下読み・推敲用に印刷するためのツールです。出版には向かないかも?です。
日本語縦書きPDFをつくれる無料のワープロソフト LibreOffice Writer
オープンソースで無料のOffice代替ソフト、LibreOfficeです。「無料で使えるWordがくっついてる」と思っていいんじゃないでしょうか。私はWordを使ったことないので適当に言ってますが。
Kindleペーパーバックに入稿できる日本語縦書きPDF、作れます。ただ使ったことないソフトだったのでなかなか作り方までたどり着けずに丸一日と少しの時間が溶けました。もう歳なんで一日溶けたのはイタい(笑)
ポイントは、ページスタイルを二つ作ること
詳しい説明は省きます。起動して文書ドキュメントを作ったら、
書式>ページスタイル>ページ と進み、標準ページスタイルの設定をします。
大事なのは、文字の方向「右から左へ(縦書き)」、ページレイアウト「左右対称」にすること。そうすると内側がノドになるので、必要な分の余白をとります。寸法は後で直せるのでとりあえず。

これでオッケー、ではないんです。私はこれでオッケーだと思ってしまったので悩みました。次にすることは、
書式>タイトルページ です。特別な設定をするページを用意するのです。そして、
タイトルページを作成>既存のページをタイトルページに変換 で、1ページ目がタイトルページになります。
タイトルページは、タイトルだけ入ってるページじゃなく普通のページでもいいみたいです。ここでは、普通に文字打ってるページをタイトルページに設定しました。
次、ページのプロパティを編集>スタイル「最初のページ」>編集を押す

そして、最初のページを「左側のページ」として設定するのが重要!です。

文字の方向「右から左へ(縦書き)」、ページレイアウト「左のみ」、余白の右側をノドの寸法に。
「左のみ」にすることで、この「タイトルページ」が「最初のページとして見開きの左側に固定され」、続くページは標準ページとして右→左→右→……と続いていきます。
AIの説明によると、LibreOfficeは奇数ページを見開きの右側におくのがデフォルトらしいので、そのままノドの余白を設定するとそれが外側にきてしまうんです。これをねじ伏せる(?)ための、タイトルページ左置きです。
とりあえず、Kindle入稿でエラーなしなら、問題解決です。(※まだ試しておりませんが)
ページ番号を外側に入れたいときの設定
ページ番号を外側(小口側)に入れると、ページの左右の確認がしやすいです。1ページ目にカーソルがある状態で、
挿入>ページ番号... でページ番号ウィザードを出します。配置を「左」に、左右反転にチェックを入れてOKすると、1ページ目の左下にページ番号が入ります。

これを意図した数字にするために、もう一度、書式>タイトルページで設定します。
ページの番号付け>最初のタイトルページの番号を設定>ページ番号 で。ここでは3に設定してみます。確認するとさっきの数字が3に変わっています。

この時点では他のページには番号が入っていません。次にカーソルを2ページ目以降に移動させてから、もう一度、
挿入>ページ番号… でページ番号ウィザードを出します。
配置を「右」、「配置を偶数で左右反転する」にチェック。

OKすると、2ページ目以降の標準ページにページ数が入ります。(ここで奇数ページ扱いされているのは2ページ目。タイトルページは数えずに、標準ページの1ページ目にこれを設定しているらしい?です)
*
ページの余白や、ページ番号まわり(フッター、またはヘッダー)の調整は書式>ページスタイルで。
私自身まだ何も試していないので、これ以上の解説はできません。どうかご容赦くださいませ。
PDFでエクスポートするときの初期表示を「連続見開き」に
出力後の確認がしやすい設定です。
ファイル>次の形式でエクスポート>PDFとしてエクスポート… を選択します。
初期表示タブで、ページレイアウトを「連続見開き」にしてエクスポートします。

LibreOfficeの設定でできるのはここまで。
フォントの埋め込み
PDFオプションのウインドウの、全般タブ>General>PDFバージョン「PDF/A」を選択するとフォントが埋め込まれます。いくつかバージョンがありますが、どれでも。
出力したPDFを開いて、メニュー>文書のプロパティ>フォントで埋め込まれているフォントが確認できます。(Adobe Acrobat Readerの場合)
「埋め込みサブセット」では弾かれるかもとAIが回答しましたが、公式ヘルプにはこう書いてあるので大丈夫のはず!
作成した PDF ファイルを Adobe Acrobat で開き、「ファイル」、「プロパティ」の順に選択して「フォント」タブを見ると、フォントが埋め込まれているかどうかを確認できます。ファイルが正しく機能するには、リスト中のフォントがすべて「埋め込み」または「埋め込みサブセット」と表示される必要があります。
KDPヘルプ ペーパーバックのフォント より抜粋
PDFビューワー側の表示設定
あとは、PDFを表示するビューワーの設定をちょっと変更します。Adobe Acrobat Readerを例に。
左上のメニュー>環境設定>言語 デフォルトの読み上げ方向「右から左へ」を選択。

こうすると、さっき連続見開きで出力した縦書きPDFが、確認しやすいように(見慣れた体裁で)表示されます。

さっきの選択肢には、「文書に基づいて方向を推測」っていうオプションもあります。一見、こっちでも良さそうな感じもしますが、表示してみるとこうなります。↓ 推測できてないじゃん!

ページの左右が逆になっています。LibreOfficeと同じく、奇数ページを右に置くのがデフォルトなんでしょうか……。
このPDFビューワーでの設定はPDF自体に影響しません。
ただ、「右から左へ」のまま横書きPDFをひらくと、今度はそっちが左右逆になるので、普段は「文書に基づいて方向を推測」にしておくのがいいかもしれません。
日本語縦書きができる無料「ゆるDTP」 LibreOffice Draw
前出のサンプルは文章だけで作りましたが、Writerは画像の配置もできます。そしてLibreOfficeはワープロの他にドローやプレゼン資料スライドを作るソフトなども含まれています。ドローで画像や縦書きテキストボックスを配置しながら紙面を作り複数ページをPDF出力することも可能です。

Drawでははじめから「縦書きテキストボックス」を選んでテキストボックスを作るのがポイント(横書きボックスを縦書きに変更しようとすると詰まる)。
表示 > ツールバー > テキスト でテキストツールを表示、「縦書きテキストの挿入」をクリックしてからテキストボックスを作成すればOK!
これはつまり、私が以前の記事で「InDesignが使える人がうらやましい」だの「Affinityに縦書き対応してほしい」だのとぼやいていた問題が解決するということです。もちろんDTPソフトではないので、レイアウトはそれなりにだと思いますが、それで十分だと思えるかもしれません。ゆるめのDTPですかね?
以前の記事↓
無料のDTPソフトもある! Affinity、Scribus
DTPのような厳密さを求めるなら、無料のDTPソフトも存在します。
- Affinity 2025年10月、Designer、Photo、Publisherがまとまった一つのソフトになり、しかも無料で使えるようになりました(もとは有料ソフトでした)
- Scribus オープンソースのDTP
どちらも日本語縦書き非対応ですが、AIによるとAffinity・ScribusともにPDFの配置が可能ということです。Scribusについて質問したときのChatGPTの回答を一部抜粋します。
~省略~
2) 本文は別ソフトで縦書きPDF化 → Scribusに配置
縦書き本文はLibreOffice(Writer/Draw)などで作ってPDF化し、Scribus側では「本文PDF(または画像)」をページに貼り込む運用です。
- 本文の縦組品質はLibreOffice側で担保
- Scribusは写真・背景・断ち切り等のDTPレイアウトに集中
(冊子・雑誌的な制作フローとして現実的です)~省略~
「Scribusでは縦書きはできますか?」という質問に対するChatGPTの回答:一部抜粋
PDFはパーツごとに作ってあとで結合する
ページごとにレイアウトが違うものを一緒にPDF変換するのは難しいので、目次や扉や奥付や本文は別々にPDFを作ります。あとからPDFは結合できます。
シメケンプリントさんか、できなければ他にもオンラインサービスがあるし、無料のツールもあります。検索でたくさん見つかると思います。
気をつけるべきなのは、結合した時にページが左右左右……と順番につながっているかどうか。ページが抜けていたり、設定を間違えたりしてるとつながりがおかしくなります。簡単に設計図みたいなものを書いて確認しながら作業するとよいと思います。
はじめから気をつけておくといいこと
小説作品ができあがったら、プレーンテキスト(拡張子が「.txt」)でも作品データを保存しておくのがオススメです。短編なら一話ずつ。たとえScrivenerを使っていようが、LibreOfficeを使っていようが、プレーンテキストにしておけばどこでも開けます。バックアップとして強いと思います。
そのうえで、Kindleで電子書籍とペーパーバックを両方作ろうと思っているなら、データも両方同時に作るといいと思います。テキストファイルの複製を二つ作って(またはテキストファイルとLibreOfficeで)、
- 電子書籍用のタグ入れ
- ペーパーバック用のタグ入れ(テキストファイルの場合)
を同時進行していれば、途中で誤字脱字が見つかったらその時点で全部を直せます。時間があいてしまうとどうしても忘れたり、おっくうになったりします。
全部をなるべく全角で書く
PDF化にシメケンプリントさんのツールを使うことを予定している場合、数字もすべて全角で書くとよいです。縦中横ができないようなので。(威沙はどうなのか、は調査してないのでわかりません)
ただ、「:」は縦書きにしたときも向きが変わらないので、PDF化の際は半角で打っておくとよいです。「 : 」(半角スペース・半角コロン・半角スペース)のように。半角は縦書きにしたときは横向きになってしまうのですが、それを利用することでうまくいきます。
まとめ
こちらに書いたとおり、書きかけの記事がやっと書き終わりましたのでupします。
PDF変換ツールだけでなく、なんとかワープロソフトてきなものが見つからないかと思っていました。LibreOfficeも知ってはいましたが、使い方に難しさを感じてしまって、なかなか踏み込めずに時間が過ぎてしまっていました。
今回やっと、
- 日本人が日本語縦書きPDFを作ることが、そんなに難しいことのはずがない!!
っていう思いが解決を得ました。そしてここでも、検索以上の威力を発揮するAIのお世話になりました。ホント、自分の検索能力だけではここまでたどり着けなかった。
で……、わかってみれば簡単な設定ひとつだったので、いつも通りの自分のアホさに感心します。
最後になりましたが、内容の正確性については保証いたしません。ただ、間違いや追加の必要に気づいた時点で追記をいたします。いつも通りです。よろしくお願いします。
*
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
最近はnoteにおりますので、遊びに来てくださると嬉しいです。












コメント