グリム童話です。私は「やぶれたおどりぐつ」と覚えてました。
12人のお姫様が、毎晩、寝室の床に現れる階段を降りていって12人の王子と踊り明かす(そのせいで靴がすり切れてしまう)のだけれど、父親である王様はお姫様たちが夜中に寝室から出ていないのに靴がすり切れている原因がわからず、「この謎を解いたものにお姫様をやろう」というおふれを出す…というお話。このお話はとにかく不思議で、こどもの私の想像力ではとてもイメージしきれない場面があったので、ずっと心に残っていました。
絵は、「真夜中に、一番年上のお姫様が床をドンと踏むと、寝台はドオオオオンと大きな音を立てて床に沈んでゆき、そのあとに階段が現れた。その階段をお姫様たちは次々に降りていった。」という場面です。
寝台が床に沈んでいくというのがとにかく想像しきれなくて、ドオオオオンという恐ろしい音もどんな音なのかわからないし、その後に現れる階段の先は真っ暗だし、もう本当にその不思議さに魅せられてしまっていたのです。
絵にも描けない、不思議さよ…。
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