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昔話の特徴をまとめる:4

◆昔話の特徴 の続きです

・聞き手が自然にイメージできる。

単語を並べるだけでイメージがわく。

お話を読んだり聞いたりして、自然に情景がうかんできたり、その場面の一部分のイメージがうかんできたりする事があります。そういうお話はとても楽しいし、心が満たされる感じがします。
昔話は独特の登場人物や色や数などを使うものですが、それらはよりイメージしやすいものだったり、図形的だったり、美しかったり、わかりやすいシンボルだったりします。
色なら、金、銀、赤、白、黒。それに灰色。
数なら、一、二、三、七、十二、百。
物は、貴重な金属や鉱物でできていたり(金、銀、ダイヤモンド、水晶、ガラス、宝石)、くっきりとその形を想像できるものだったり(鍵、指輪、たまご、など)。
背景は、洞穴や廃虚などの想像しにくいはっきりしないものではなく、家とか城とか塔とかガラスの山とか、より図形的でイメージを助けるものが使われています。
また、太陽のように、とか、月のように、とか、王、王女、魔女、竜、などのシンボリックな言葉がよく使われます。

登場人物の心情も、目に見える出来事に置き換えて語られます。

・時間は部分的にしか経過しない

昔話では、人間や動物の肉体に対して、あまり時間の影響(衰える方向への影響)がないようです。
いばら姫は百年眠った後でも十五歳のままです。また、別のお話では、切り取られた身体の一部も腐る事がなく時間が経ってから元通りにくっついたりします。死んで身体がばらばらになっていても、助けに来た妹が身体を元通りに並べると生き返ったりします。
それから、登場人物はコマであり実体ではないという証拠(?)もあります。七羽のからすというお話で、ガラスの山に着いてから、扉の鍵である『ヒヨコの骨』をなくした事に気付いた妹が、自分の小指を切り取って鍵の代わりに扉の鍵穴にさし込むと扉が開く、というエピソードがあります。このお話では、まさに何でもない事のように、「小指を切り取って鍵穴にさし込みました」と述べて、そのあとはその事にまったく触れずに、めでたしめでたしでお話は終わります。これが昔話でなかったら、その妹の苦しみが後々まで語られたり、その後その大けがをどうしたのかという事に解決を求めたりするものですけれど、昔話ではそういうことはありません。
昔話は人間も動物も植物も、あんまり時間の影響を受けずにいるようです。結婚して子どもが生まれたとか、七年間口をきかずにいなければならないとか、すじに関係のあることがらに対して部分的にしか、時間は経過しないようです。

2013.6.14追記

昔話の特徴などについては、別サイトの「昔話の様式ってこんな感じ」、「文献を自分なりに解釈してみた」にも書いています。

2021.12 追記

「昔話」の意味
昔から語り継がれてきた(主として、祖父母が囲炉裏端で孫たちに語って聞かせた)物語。口承の物語。時代・場所・人物を特定しない架空の話。「耳で聞く物語」としての昔話の文法が存在する。

昔話にたいする「再話」の意味
実際に語られていたもの(昔の言葉や土地の言葉だったりする)を、今の子供達がわかるような文章にする。昔話の文法に照らし合わせながら、自分の言葉で、自分が語れるように再話しなおす。

*  *  *

この記事を書いた人
たまに、加賀 一
そだ ひさこ

子ども時代はもちろん、大人になっても昔話好き。
不調で落ち込んでいた30代のある日。記憶の底から突如、子ども時代に読んだ昔話の場面がよみがえる。その不思議さに心を奪われて、一瞬不調であることを忘れた。自分は昔話で元気が出るんだと気づいた。

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