昔話のネタで、新しく昔話っぽい筋書きを作る【ストーリープロッター】

こんにちは。そだひさこです。

プロット作りは面白いのに、いざ文章を書こうとなると「あれ、なんかカンがもどらない…」な感じのここ数日です。10年以上ぶりなので。まあ、カンなんてものがあったかどうか謎ですが。

ストーリープロッター使ってますよ!!

今日は、私はストーリープロッターをこんな感じに使って遊んでます!っていう記事です。遊んでますっていうくらい楽しいです。

ネタをストックする

私のネタ元「国際昔話話型カタログ」

私は昔話が大好きなので、昔話のネタをストックしています。「むかしむかし…」で始まる昔話です。(自分の昔の話じゃありません。)

ではそのネタ元は何かというと、『国際昔話話型カタログ 分類と文献目録』という、辞書みたいに分厚い本です。というか、辞書です。

この本は、世界中の昔話の「話型」を集めたカタログで、さまざまな昔話がタイプ別に分類されて整理されて収録されています。話型は、たとえば、ウサギとカメの話は

275A 野ウサギとカメの競走(旧, 野ウサギとカメが競走する:眠る野ウサギ)
 足の速い動物(野ウサギ)と遅い動物(カメ, ヒキガエル)の競走で, 速い動物は十分に時間があると思って, 道で寝る. 遅い動物は速い動物を追い抜くことができ, ねばり強さで勝つ[K11.3].

注『イソップ寓話』(Perry 1965,465 No.226). 由来説明の伝説と結びついていることもある.
類話(~人の類話) エストニア:スウェーデン:ノルウェー:フランス:スペイン:カタロニア:フリジア:フラマン:ドイツ:ラディン:イタリア:ハンガリー:マケドニア:ギリシャ:ポーランド:トルコ:中国:ラオス:日本:アフリカ系アメリカ:マヤ:西インド諸島:エジプト:ナイジェリア.

国際昔話話型カタログ ハンス=イェルク・ウター著 加藤耕義訳 小澤俊夫日本語版監修 p134

こんなふうに載っています。これは短いお話ですが、シンデレラやほかのもっと長い話も話型として収録されています。ちなみにシンデレラは日本を含む69の地域に類話があるそうです。

昔話は世界中にいろんなお話があります。でも、話型の類話にたくさんの地域があげられていることでわかるように、似たような話・似たような出来事が、いろんな地域に、少し雰囲気を変えて繰り返しあらわれています

これは、昔話は書物で伝えられたのではなくて、人が語って伝えてきたものだからという理由のようです。書物なら書かれたそのままが伝わっていきます。でも人が語るということは、誰かが語ったものを聞いた人が覚えて、それをまた別の人に語る、ということが繰り返されてきたということです。

そして、世代をへて、語る人によって、その内容が少しずつ変化する場合もあります。または、人の移動によって、別の地域から来た人の話を聞いて、それを自分たちに合った感じに変えて語る場合もあります。

出来事は似ているのに、雰囲気がその土地のものになっていくのは、語り手たちがお話を自分たちのものとして消化吸収し血肉にした結果なのだと思います。変ないい方ですが。

昔話の「かけら」を組み合わせて別のお話を作りたい

私はこの、「いろんなお話に繰り返し出てくる出来事」や「昔話だからこその不思議で魅力的な出来事」を集めてパズルのピースのようにして、そのピースを適当に組み合わせたら、別の昔話ふうなお話が簡単にできるに違いないと思っていました。

簡単に、っていうところが重要で。(笑)

たくさんのピースを箱に入れて、ガラガラっと振ると、いくつかのピースがつながって出てきて自動的にお話ができてる!みたいなものが欲しいなぁ、作れないかなと、妄想していました。

ただ、かりに仕組みは作れても、かりに膨大なピースを集めることはできても、自動的にうまい具合につなげて出すのは物凄い知恵が必要な気がしてるので、今の私には無理です。将来もたぶん無理。

でも、自動的にでなくても良いなら、できます。

ネタを自分でプロットに持ってきて並べてお話を考える…っていう普通の作業ですが、ネタさえストックしてあればお話の筋書きを手軽に作れます。ストーリープロッターというアプリに出会えたのは私の幸運です。ネタのストック・ネタからプロット作りがこのアプリ上で手軽にできます。

詳細は前の記事で書いてるので、使い方を知りたい人はどうぞご参考に。

私のネタ帳

私はこんな感じでネタ帳にネタをストックしています。

たくさんあるのでフォルダ分けしています

まだ膨大にネタをストックするつもりなので、探しやすいようにフォルダ分けは必須です。

思いついてとりあえず書いたネタが散らかっていますが、気にしないでください。(^^;

で。動物昔話はほとんどが短いので、話型ひとつを1ネタにしています。(ネタとしては長文かもしれません。後々、使いにくいと感じたら分割します。)
カタログでは動物昔話の中でもカテゴリ分けされてるので、それに従って下層フォルダを作って探しやすくしています。

魔法昔話は長い話型が多いので、下層に1話型ずつのフォルダを作っています。その中に、長い話型を小さく分解したものをネタとしてストックしています。

分類はまだ何種類もありますが、とりあえず。

動物昔話(短い話型)と、魔法昔話(長い話型)のネタ帳を、こんな感じに作っています。

短い話型のネタ帳。1話型を1ネタとしてある
長い話型のネタ帳。話型を小さく分解していくつかのネタにしてある

プロットのひながたをつくる

ストーリープロッターには長さに応じたプロットのひながたが用意されていて、何を書けばいいかヒントをくれるガイドもあって、いたれりつくせりで本当にありがたいです。

でも本当にわかってるなぁと感じるのは、「自由」が用意されていること

「自分は自分のひながたがあるからそれ使いたい」とか、まったく自由に書きたいんじゃ!とか、そういうひとのために自由枠を用意してくれてるところが、地味に嬉しいところです。

私は自分で型を作って使いたいので、プロットの「自由」でひながたを用意しました。使うときはそいつを複製して使います。

プロット長さ「自由」で、自分のひながたを作る

ストーリープロッターを見つける直前にじつは、こんな記事を書きました。

この記事で紹介しているサイト&動画で覚えたことを、プロット作りで試してみたかったので、ひながたはこんなふうにしました。

もしかして解釈まちがってたらすみません…

自分でこういうひながたを作って、複製して使ってます

私はせいぜい4,000字くらいの短いものしか書かない(書けない)ので、この程度にしています。

でも動画の内容はこんな程度では終わらないので、ぜひ見てほしいです。ピンときたらぜひ。

このプロットに、コピー元とわかるような名前をつけてから、いったん閉じます。

プロットにネタを配置する

コピー元のプロットを複製して、そちらを使ってネタを取り込んでいきます。コピー元プロットのタイトルの右にある、縦に並んだ点々をタップします。

ウインドウが出るので、「別名保存」をタップします。

名前をつけます。「フォルダも一緒に作ってまとめる」は、コピー元と複製が同じフォルダに入ります。

今回はフォルダを作らないように、チェックをはずします。

プロットが複製されたら、タップしてプロットを開き、ネタを追加していきます。

小さい話型をたくさん取り込む

点線で囲まれた「+」をタップすると、ネタを選ぶorネタを書く画面になります。ストックしていたネタを選択するか、ストックしていないことを書きたい場合は直接書きます。

これは動物昔話からネタをいくつか選んで、追加でいくつか書いて作ったプロットです。

オオカミがキツネにだまされたりひどい目にあわされたりするものが多いので、「なんで?」って思って考えてみたプロットです。

ネタの位置を入れ替えたり、削除したり追加したり、わりと時間かかりました。

ためておいたネタからいくつか配置して、足りない部分は追加でネタを書きました。また、ネタじゃなくメモも書いてます。

「観客の願望」はメモですね。

縮小表示してるので出ていませんが、拡大表示するとガイドが出ます。

ネタをタップするとあらすじを書く画面になります。書き込んであらすじにすることもできるし、ネタを考え直すこともできます。

ネタ帳からプロットに追加したネタをプロットの中で書き換えても、ネタ帳にあるネタは変更されないので安心してね。

※画像は、うっかり全部「ネタをあらすじにする」ボタンを押したのでこんなことになってます。おはずかしい。
ネタに戻すこともできるけど、こんな内容なのでどっちでもいいや、で放置してます。

あと、万が一のために時々プロットを複製してるのでプロットが増えてます。何か操作を間違えたのだと思いますが、書き出しをしたらプロットが少し前の状態に戻ってしまったことがあって。それ以後、バックアップの意味で複製してます。

長い話型をちょっとアレンジする

こちらは、魔法昔話の長い話型のネタをプロットに並べたものです。もとの話型をベースにしてお話を作りたいと思い、配置のとき探しやすいように1話分ずつネタをフォルダに入れてあります。

私が書き加えたネタには※チェックつけました(※画像加工。ストーリープロッターの機能ではありません)

「竜退治をする男」という話型なのですが、この話で主人公は、竜を退治した後にフラフラどこかへ行ってしまうんです。

なんで???

で、主人公が去ったあとに、ペテン師があらわれて姫を脅し、自分が姫と結婚しようとするのです。

主人公はちょうどその結婚式の日に戻ってくるんですが、すぐに式場へ乗り込まないんです。

犬に食べ物取ってこさせてる場合じゃないよ!

まあ、このへんはハラハラの演出かなって思いますけど。

こんな感じに、私の勝手な感想を盛り込んでプロットを作りました。「なぜ去る?」のネタは、実際に書くかどうかは別にして、メモとして入れてあります。

もとのお話には出てこない姫の付き人を登場させて、姫が主人公の髪の毛に自分の指輪を結び付けるのを目撃させたりもしてます。

犬の好きな食べ物のネタは、姫と主人公の数少ない共通の想い出に使うためです。結婚式のテーブルに、姫が主人公への想いをこめてその食べ物を置くっていうふうに。

昔話をアレンジする遊びですね。

はい、そうですね…。

別の使い道もありそうな、ストーリープロッター

ストーリープロッターは、物語のプロットづくりの他にも使い道がいろいろありそう。たとえばですが、ブログ記事やプレゼンや他いろいろの構成を考えるのに、ポストイットのように使えると思います。

私の場合は、ネタを並べて筋書きを考えるだけで十分に満足してしまっていたりするので、執筆前のプロットづくりというより「昔話をアレンジする遊び」として使ってますね…

たくさん筋書きを作っても、作品にしないと見てもらえないのはちょっと残念です。

まとめ

ストーリープロッターというアプリを、私はこんなふうに「昔話をアレンジする遊び」の道具として使っていますという記事でした。ときどきは作品にも仕上げたいですし、キンドル本も出したいです。

そもそも使い方の説明記事ではないのですが、キャラ設定や世界観・あらすじやストーリーへの発展には触れていないので、使い方の説明としては不十分であることをご了承ください。

ストーリープロッターへのリンクと、国際昔話話型カタログについて知りたい方への参考リンクを置いておきます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

ラジオ番組のアーカイブです。カタログについての話題の最新のものです(記事執筆時)

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ラジオではアナウンサーの方が「15センチくらい?」とおっしゃっていますが、測ってみたら8.2センチでした!

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