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昔話の特徴をまとめる:2

実際は、昔話の持つ特徴のすべてが「語られる」という事から来るのではないのだと思います。口承文学は他にもたくさんあるのに、昔話にはそれ独特の特徴があるのです。
でも私には「語る、聞く」ものであるという理由がいちばんわかりやすい気がしました。なので「語る、聞く」という事をもとにして、それらに理由付けをしてみたいと思います。
少々こじつけもあるかもしれないのだけれど、私の自己流な解釈であるので、そこはお赦しください。

◆昔話の特徴

・まず、昔話でいちばん大事なのは「すじ」である。登場人物ではない。

「聞く」「語る」ものだからすじに集中するのか、それともすじに集中するものを昔話と呼ぶのか? どちら、と言い切れるものでもなさそうですが…
聞き手が「お話を聞く」という心構えのときには、いちばんの関心事であるストーリーをきちんと伝えてあげるべきなので、あんまり立ち止まっていろんな説明をしないほうが聞き手に負担がかからないのだと思います。
また、語り手は印刷物を朗読するわけではなく、おぼえたお話を語って聞かせるものなので、語り手の気持ちもまっすぐすじに集中していてくれたほうが、気持ちのこもった語りになるだろうと思うし、聞き手にとっても聞きやすいのだと思います。

これはかなり徹底していて、すじに直接関係ある行動は語られるけれど、そうでないことには触れることはまずありません。「主人公はとてもやさしい心の持ち主でした」という文が、すじに何の関係もなく語られることはないのです。
例えば「その優しい性質から、援助者に自分の食べ物をわけてあげる」ということがあとで語られるなら良いですが、その優しい性質がすじを進めるための行動を何一つ引き起こさない場合には、その性質を語るのはきっと余計なことなのだと思います。聞き手のなかに、その優しさに対する期待が生まれても、その期待に応えるエピソードがないと、スッキリしないだろうな、と思います。

2013.6.14追記

昔話の特徴などについては、別サイトの「昔話の様式ってこんな感じ」、「文献を自分なりに解釈してみた」にも書いています。

2021.12 追記

「昔話」の意味
昔から語り継がれてきた(主として、祖父母が囲炉裏端で孫たちに語って聞かせた)物語。口承の物語。時代・場所・人物を特定しない架空の話。「耳で聞く物語」としての昔話の文法が存在する。

昔話にたいする「再話」の意味
実際に語られていたもの(昔の言葉や土地の言葉だったりする)を、今の子供達がわかるような文章にする。昔話の文法に照らし合わせながら、自分の言葉で、自分が語れるように再話しなおす。

*  *  *

この記事を書いた人
たまに、加賀 一
そだ ひさこ

子ども時代はもちろん、大人になっても昔話好き。
不調で落ち込んでいた30代のある日。記憶の底から突如、子ども時代に読んだ昔話の場面がよみがえる。その不思議さに心を奪われて、一瞬不調であることを忘れた。自分は昔話で元気が出るんだと気づいた。

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