物語・ストーリーの作り方について調べてわかったこと。「面白い」とは、その物語に「こうなってほしい」という願望を持てること

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こんにちは。そだひさこです。昔から、お話を作ることに興味を抱き続けていました。

このブログを作ったのは、物語を書いたので発表の場が欲しいと思った2006年。その後短い間は物語を書き続けましたが、行き詰って書くのをやめて今に至っています。

それでも、「昔話」というジャンルが大好きで、そのようなお話を作りたい、いや、自動的に作れるマシーンがあればいいな、と思い続けてきました。

で先日ふと、お話を作る練習をやってみようかな…という軽い気持ちでググってみたところ、面白そうな記事がわらわらと出てきました。それらを夢中になって読んでわかったこと、感じたことなどを、この記事で共有したいと思います。

「シナリオ 練習法」でググって出てきた記事10本

2021年6月9日に「シナリオ 練習法」でググってみた結果です。1ページ目に出てきた記事をトップから順にご紹介します。

ちなみにこちらは、「ストーリー 練習法」で検索するとトップに、「物語 練習法」で検索すると3位に出てくるサイトです。2021.6.11

これらの記事からわかること

私が知りたかったのは「物語」を作る練習法でしたが、検索語句に「シナリオ」を使ったので、シナリオ(脚本)というものに特化した記事もヒットしています。

そうはいってもシナリオも物語です。基本的なところは物語を作るための練習法と同じなので、この10記事から、「物語を作る練習法」として有効と思われる記述を探して簡単にまとめてみました。

  • 20枚シナリオを書く(時間にして10分程度のものができる。初心者用。習作。いつまでもこだわらない。)
  • シナリオ風の日記を書く(毎日練習できる)
  • 既存の物語をシナリオとして書き起こす
  • 好きな脚本を模写する
  • とにかく、たくさん書く。長編1本より短編10本を書く
  • 描いたら完結させる。完結させないと物語の構成が学べない
  • 映画(小説、マンガ、など)をたくさん観る
  • 既存の物語を「より面白くするには、自分ならどうするか」考える
  • 映画など物語を見たら「なぜこれは面白いのか」考える(なぜこれはつまらないのか考える)
  • 名作をつまらなくするにはどうするか考えてみる

重複しているものをまとめると、

  • はじめは短編でいいから、書き始めたものは最後まで書く。たくさん書く。毎日書く。とにかく書く。
  • 既存の物語を、シナリオとして書き起こす or 模写する。
  • 既存の物語(映画など)をたくさん読む(観る)。そして「なぜこれは面白いのか」考える。または「なぜつまらないのか」考える。
  • 既存の物語を「より面白くするには、自分ならどうするか」考える。または「つまらなくするにはどうするか」を考える。

こんな感じになりました。でももっとシンプルにできそうです。書くことと、読む(観る)ことに。たぶん、こんなふうにまとめて良いのだと思います。

物語を作る練習法
  • 最後まで書くたくさん書く。毎日書く。とにかく書く。
  • 既存の物語(映画など)をたくさん読んで(観て)考える。物語の構成を体に覚えさせる。

なぜシナリオで検索したのか

昔読んでいた「シナリオ作法四十八章」という本を思い出したから。面白くて何度も読みました。それでなんとなく、シナリオという言葉を入れて検索したら、いい結果が出てきました…ということです。

ストーリーや物語という言葉でも検索してみたんですが、私にとっては、シナリオのときほど有益な結果ではありませんでした。

(ちなみに、シナリオ作法四十八法は1985年出版の本で、中古で入手可能です。2014年出版の「シナリオ作法四十八章 雑誌」もあり、こちらは新品もあるようで価格も安いです。)

シナリオ・物語・ストーリー・プロットの違い

シナリオは脚本のことで、柱書き、ト書き、セリフで構成されたもの。

物語とは、ある事柄の一部始終について語ったもの(書かれたもの)、その内容。古くから語り伝えられた話をすること、その内容。といった意味で、ほぼ思っている通りの意味でした。

ストーリーとプロットの言葉の違いがよくわからなかったのですが、こちらの記事で明確に説明されていました。

「ストーリー」が「プロット」という言葉と比較される場合

  • ストーリーは出来事を時系列で並べた年表のようなもの
  • プロットは面白く語るために出来事を並べたもの

なのだそうです。ストーリーは素材、プロットはそれをどのように表現するか、ということのようです。これは知りませんでした!

ただし、比較されないときには、ストーリーという英単語は「物語」という日本語に対応する言葉として使われる、つまり物語のことを指します。

物語の作り方についての31本の動画を見てみた

さて。ググって出てきた記事10本のうちの「9本目のサイト」が非常に気になりました。記事の最後にある他のページの内容も気になるし、記事を書いてる人も気になるし。サイト内をウロウロしていたら、YouTubeチャンネルがあるとのことだったので、見に行きました。

昨年春ごろに開設されたようですが動画数は充実していて、基本講座には31本の動画がありました。もちろん見ました。まる一日と少しかかって、31本全部を見ました。

基本講座のすべての動画

全体的な感想としては、わかりやすい動画でした。そして、なるほど、なるほど、と思えることが多かったです。今まではっきりわからなかったことのいくつかもよくわかりました。

もしかしたら、「ヒロなんとかさん」の独自の解釈かもしれないんですが。でも納得のいく解釈でした。

動画を見てわかったこと:面白いとはどういうことか

動画でもサイトでも一番最初に説明があります。面白いとはどういうことか。

面白いとは、ストーリーから感じる心地よさ。こうなってほしいと望んだとおりの事が起こる。観客の願いが達成される

ということなのだそうです。

物語を面白くするには、観客の心に「こうなってほしい」という願望を生み出す必要があるんですね。

動画を見てわかったこと:面白い物語のしくみ

面白い物語の条件は、観客が「こうなってほしい」という強い願望を持てること。

これが感情移入だそうです。人物にではなく、物語にたいして使う言葉だというのは意外でした。

では、どうすれば感情移入をうみだせるのか。

面白い物語とは、『主人公が何かを間違っていて、それが正される話』とヒロなんとかさんはおっしゃっています。たしかに、主人公が何かを間違っていて苦しんでいるのを見たら、

「違うよ、それは違うよ、早く気づいて」

って思います。そう思いながら見ます。そして「主人公が間違いに気づいて苦しみから解放されること」を願うようになります。小さなエピソードの一つ一つにも、その願望が進展することを期待しながら見ます。

そしてクライマックスでその願望が達成されれば、ああ、面白かった…ってなりますね。

なるほど。

動画を見てわかったこと:面白い物語の作り方

面白い物語の作り方…は、まさかここでは書きませんが。

もし先ほどまでのところを読んで気になる方は、ヒロなんとかさんのサイトかYouTubeチャンネルを見てください。きっと得るものがあると思います。

でも、ちょっとだけ書かせてください。

「悪」について。ヒロなんとかさんによると、「悪」は本能を刺激し危険を感じるので、感情移入しやすい、のだそうです。子どもは「悪は滅びてほしい」と願望を持って戦隊ヒーローを見ていると。

これ、そうだなーと思うことをどこかで(どこだか失念しました)読みました。

幼い女の子に「赤ずきん」のお話を読んであげたの。でも、その「赤ずきん」は、オオカミが最後に死ぬのではなく、改心して森へ帰っていくという話だったのよ。その後、その女の子は母親と一緒に買い物に行きたがらなかった、外へ出るのを怖がったのよ。

これって、幼い女の子は、オオカミが滅びる(つまり死ぬ)ことを願いながらお話を聞いていたんだと思います。オオカミは主人公の小さな女の子をだましてお婆さんを食べてしまい、主人公の女の子も食べてしまう、危険極まりない恐ろしい「悪」なんですから。

でもその「悪」が、滅びずに、森へ帰ってしまった。まだどこかにいる。幼い女の子の、自分の身の安全を願う気持ちはかなえられなかったんです。

まだ幼くて、現実とお話を全く別の世界だと実感できない女の子にとって、これは、お話の中でオオカミが死ぬよりもずっと残酷な結果なのでは…と思いました。

昔話の特徴と、物語の作り方を照らし合わせてみて感じたこと

昔話は本来は「語り」を「聞く」ものなので、文字を読む文学とは違った、独特の形を持っています。

情景を描写しない、心理描写をしない、一本の筋を追っていく(途中で本筋ではない話をしたり回想シーンが入ったりはしない)、同じ場面が同じ言葉で繰り返される、など、など。耳で聞いてイメージしやすいように、シンプルに大事なことだけを順番に語っていきます。

でも、物語であることには間違いないのです。

そして、同じ場面を同じ言葉で繰り返す効果というのが、今回動画を見ていて理解できた気がしました。

同じ場面を同じ言葉で繰り返すことの効果

例えば、白雪姫が魔女に毒リンゴをもらって食べるシーン。

じつは白雪姫は、毒リンゴの前にも二度殺されかけています。
一度目はきれいなひもで胴をきつく締められて倒れ、帰ってきた小人たちにひもをほどいてもらって助かります。
そして二度目は毒のくしを髪にさされて倒れ、帰ってきた小人たちにくしを取ってもらって助かります。

この一度目と二度目はほとんど同じ言葉で繰り返されるのですが、このときの聞き手の気持ちがまさに、

白雪姫、そいつは魔女だよ!だまされないで!死なないで!

ですよね。でもだまされて倒れる。けど、小人たちが帰ってきて助けてくれる。「死なないで!」がかないます。

一度目も二度目も、聞き手の望みどおり、白雪姫は助かります。同じ言葉だから、次の言葉を予想しながら、期待しながら、お話を聞きます。そして期待通りになります

ここってまさに感情移入です。同じ言葉を予想しながら、期待しながら、ですから、期待通りになったときはバシッと気持ちいいですよね。

同じ言葉の繰り返しは、聞き手に「同じ言葉を期待」する気持ちが生まれてると思うのです。

落語で同じ言葉が何度も出てくるとそれだけで可笑しくなるのには、期待通りの言葉が聞けて気持ち良いという感覚も含まれているのだと思います。

音楽も、知ってるサビの部分になると、気持ちが盛り上がるよね。

そして三度目。また、ほとんど同じ言葉で場面が繰り返され、今度は毒のリンゴを食べて、白雪姫は倒れます。小人たちが帰ってきて、白雪姫の体になにか毒のものがないかと探しますが、何も見つかりません。

ここで、聞き手の願いは裏切られます。白雪姫は死んでしまい、魔女は生きています。

でも物語は続いていくので、「この先どんな良い展開が訪れるのだろう、訪れてほしい、絶対に!」と、聞き手の気持ちはいっそう強くなる…のだと思います。

一般的な繰り返し

一般的によくあるのは、「一度目は失敗、二度目も失敗、三度目に成功する」という繰り返しです。

(白雪姫は三度目に本当に死んでしまうので、ちょっと特殊な例かもしれません。)

一度目のときも、二度目のときも、聞き手はもちろん「主人公に成功してほしい」と思いながら聞いています。だけど、一度目と二度目は願いはかなわず失敗します。

三度目のときには、聞き手は「今度こそ成功して」っていうふうに、願望が強くなっています。そして本当に成功するのですから、気持ちは盛り上がりますね。

もうひとつ、「主人公が成功して幸せになったあと、真似をした人が不幸になる」という繰り返しもあります。

この場合はたいてい、真似をするのは隣に住むいじわる爺さんとか、意地悪な姉妹とかです。優しくて働き者の主人公にさんざん辛く当たった「悪役」です。

主人公が幸せを手に入れて帰ってきたところに、「悪役」が登場して、自分も同じように簡単に幸せを手に入れようとして出かけて行きます。すると聞き手は、それが成功しないことを強く願ってしまいます。

そして聞き手が願ったとおりのことが起こります。なんか気持ちいいですね。^^;

日本ではたいてい隣に住むいじわる爺さんがこの役割をしてるので、このタイプの昔話は「隣の爺型」と呼ばれているそうです。

まとめ

物語を作る練習法を知るために検索した結果をもとに考えた結果、

  • 最後まで書く。たくさん書く。毎日書く。とにかく書く。
  • 既存の物語(映画など)をたくさん読んで(観て)考える。物語の構成を体に覚えさせる。

の2つがとくに大切な練習らしい、ということがわかりました。

さらに、物語を「面白い」と感じるのは、物語に「こうなってほしい」という願望を持ち、それが達成されるからだということも知りました。これが感情移入だということも知りました。

もしかしたら、独特な解釈なのかもしれない。とも思いますが、私は納得できました。

そして、昔話の「同じ場面を同じ言葉で繰り返す」という特徴は、「こうなってほしい」という気持ちをうみだす役割をしているみたいだぞ、という考察っぽいこともしてみました。

じつは検索のきっかけは、三題噺の他に何か方法はないのかなと思ったことでした。それらしい便利そうな方法はみつかりませんでしたが、その代わりになんかスゴいサイト&動画を見つけた…と思っています。

また、書ける日が来るかも。と、かすかな希望がわきそうでもあり。でも私すぐ鬱ってダメになるんだよなぁ…と沈んだり。本当に今、自分を持て余しています。

最後に何を書いてるんだろうって感じですね。スミマセン、、

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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