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「小鳥じいさん」

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小鳥じいさん

 昔々あるところに、たいへん歳をとったお爺さんがおりました。お爺さんはすっかり足腰が弱っていたので、寝床の上に横になって暮らしていました。ご飯も寝床の上で食べました。息子や孫と話をするときも寝床の上でした。
 ある日、家族がみんな用事で出かけることになりました。家に残ったお爺さんは、ひどく退屈でした。いつもは息子や孫がそばにいるので、動けなくても退屈することなどありませんでした。
 お爺さんは寝床の上で、今ごろかわいい孫はどうしているだろうと思いました。そして、こう言いました。
「ああ、もし私が小さな鳥になって外に出ることができたら、すぐにかわいい孫のところに飛んで行くのに。」
すると不思議なことに、お爺さんは、本当に小さな鳥になっていました。お爺さんは喜んで、すぐに煙突から外に飛んで行きました。そして孫のところへ行きました。孫は、飛んできた小鳥を見て言いました。
「お父さん、かわいい小鳥がぼくのところへ飛んできたよ。そしてね、自分はおまえのお爺ちゃんだって言っているよ。」
するとお父さんは言いました。
「何だって、そんな気味の悪い鳥ははやく追い払いなさい。おまえのお爺ちゃんは家にいるはずなんだから。」
そして、大きな手のひらで小鳥を追い払ってしまいました。

 追い払われた小鳥はがっかりしましたが、家に帰る前に、もう少し外を飛び回ってみることにしました。そして、どんどん飛んでいると、王さまのお城に着きました。お城の一番奥の部屋の窓まで飛んでいくと、部屋の中では、王さまがひとりで鏡を見ていました。
 王さまは、自分の頭のてっぺんに手を乗せて、髪の毛をなでていましたが、やがて大きくため息をつくと、髪の毛をつかんで、頭からはずしてしまいました。王さまの髪の毛はカツラだったのです。小鳥はびっくりして、ピイ、と声を出してしまいました。王さまは小鳥に気がつくと、言いました。
「小鳥になら何を見られてもかまわないさ。私はこのとおり、ツルツル頭だ。おかしいだろう?」
小鳥は言いました。
「王さま、おかしくなんかありません。王さまは立派な御方です。ツルツルでもフサフサでも、それがいったい何のお役になるのでしょう!」
王さまはこれを聞いて目を丸くして、そして、言いました。
「これは大した小鳥だ。私は今からおまえのおかげで、つまらぬことに心をとらわれずにすむのだ!」
その日から王さまはツルツル頭のまま暮らすようになりましたとさ。めでたし、めでたし。

昨日の分でした。
短いと、いつももうひとつ書き足りないままで終わりになります。力不足ですなー。

コメント

  1. りぶ より:

    今日のお話はお爺さんが小鳥のままどっかに行ってしまわなかったのでホッ。
    といいながら前回の床の間のおじいさんも目頭が熱くしながら気に入ってたり。
    季節の変わり目、体調もおかしくなったり気力も萎えたりし易いのでご用心。

  2. 久子 より:

    りぶさんコメントありがとうー
    楽しいお話のほうが書くのも読むのも気持ちがラクだけど、それでもたまに悲しいお話が欲しくなるのはなぜなんでしょう。- –
    こちらは、前日との気温差13度の日を境に「突然涼しく」なりました(びっくり
    りぶさんもお身体だいじにしてくださいね。