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「芝居小屋」

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芝居小屋

 昔々ある町に、豚飼いの娘がおりました。娘は毎日、たくさんの豚たちの世話をして、忙しく働いておりました。おかげでこの娘の豚たちは、いつも高い値段で売れました。
 さて、この町には小さな芝居小屋がありました。毎日夜になると、たいそう面白いお芝居が始まるのです。町の人たちはこのお芝居を楽しみにしていました。役者たちは皆たいへん美しく、真珠の飾りのついた綺麗な衣装をつけて、夢のような声で歌いながらお芝居をするのです。
 でも不思議なことに、この役者たちがどこからこの芝居小屋にやってきて、お芝居が終わるとどこへ帰って行くのか、町の人は誰も知りませんでした。

 ある日の朝、大工の若者が豚飼いの娘をお芝居に誘いました。豚飼いの娘はお芝居を観るのが初めてだったので、夜が来るのを楽しみにしながら、忙しく働きました。そして夜になり、娘は若者と一緒に芝居小屋に行きました。
 芝居の幕が上がると、その舞台は夢のように素晴らしく、娘は、この美しい役者たちのとりこになってしまいました。お芝居が終わって芝居小屋を出ても、娘はそこを一歩も動けませんでした。大工の若者は諦めて、娘をそこに残して家に帰ってしまいました。

 そして真夜中になりました。やがて芝居小屋の中から、真珠の飾りの衣装をつけた美しい役者たちが、ぞろぞろと出てきました。役者たちは、もう誰もいなくなったと思って、ようやく小屋から出てきたのです。
 娘はそっと、歩き出した役者たちのあとをつけました。役者たちはしばらく歩いて、豚飼いの娘の家にやって来ました。娘は
「私があとをつけているのがわかったのかしら」
と驚きました。しかし役者たちは、家の前を通り過ぎると、豚小屋の入り口を開けて、ぞろぞろと中に入ってしまいました。娘は
「いったい豚に何の用事があるのかしら」
と不審に思いながら、そっと豚小屋の中を覗きました。しかし豚小屋の中にいたのは、なんと、真珠の飾りの衣装をつけた豚たちでした。豚たちは、
「明日に備えて、稽古を始めるぞ」
と言って、豚の姿のまま、あの素晴らしい歌声で、舞台の稽古を始めました。そして一晩じゅう、豚たちの稽古は続きました。娘は大まじめな豚たちの様子を見て、今度は本当に夢を見ているような気持ちになりました。

 豚飼いの娘は、豚を売って暮らしをたてるのをやめることにしました。そしてやがて大工の若者の奥さんになりました。二人はずっと幸せに暮らし、時々お芝居を観に仲良く出かけたそうです。
 めでたし、めでたし。

一昨日足にアイスノン当てて横になりながら考え、昨日スジができ、ちゃんと書き上がったのは一時間前。今日の分はこれからぼちぼち。
本当は先に、気分転換をしたい…

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