【実験】「小説家になって億を稼ごう」を読んで、「想造」が本当に可能なのか試してみました(2021.10.31終了)

Turned on Pendant Lamp

こんにちは、そだひさこです。

小説家になって億を稼ごう」という本があります。なんか胡散臭いタイトルだなぁと思いつつも、サンプル部分やレビューを見たらもっと読みたくなって、購入しました。

小説を「想造」するとは?

どこに惹かれたかといえば、「想造」の部分。脳内の想像で物語を作り上げ、それを書くという方法。この準備段階は、好きな俳優さんを12人(主7人、サブ5人)選んで役を割り振り、彼らの行動を想像し、彼らが自ら動き出したらその行動を追うというものです。

物語の最後までを脳内で思い描き、この「想造」の実体験をもとに、追想して文章を書く。これに私は疑問を持ちました。

自分の脳内で、一つの物語を、しかも本一冊になるほどの長い物語を、作り上げることが本当にできるのか。

本当にそんなことができるのだとしたら、楽しすぎる!

これはぜひ試してみたい。

登場人物

本の購入は2021.7.9。私の登場人物たちを壁に貼ったのは2021.7.27。(購入してすぐ読んだわけではないので少し間があります。)

まずは、登場人物たちを用意するのですが、これに4~5日かかりました。俳優さんを選ぶのに苦労したのです。

私はあまり俳優さんたちに詳しくないので、あの人とあの人と……っていう具合に名前が出てきません。Googleで「俳優」「女優」で検索しても、同じ人ばかり出てきます(なぜ?)。

どうすればいいんだろうと悩んだ結果、名鑑があるのではと思い付き、タレント名鑑やタレントデータバンクで捜しました。これらにすべての人達が掲載されているわけではありませんが、私の登場人物たちを捜すのには十分でした。

名前を決めるのには、すごい名前生成器を使いました。ゼロから名前をひねり出すより、ここでランダムに出てきた名前をもとに考えるほうがラクです。

場所

場所をどこにしようか考えるにあたり、郊外とかの画像検索をしてみたのですが、ピンとこない。

ピンとくるのってどこ?と考えて、結果、私の好きな場所、よく知っている場所にしました。私の実家があり、実家の近くに引っ越したいと常々思っているので、ここを舞台にすれば空想が楽しくなります。

Googleストリートビューのスクリーンショットで場所の画像を用意しました。

プロフィール設定

年齢や職業、性格、好きなもの好きなこと、などを決めていく作業は、人物によって難易度にばらつきがありました。個性的な俳優さんや、過去の出演作の役柄が印象的な俳優さんはそれを想像しやすいのです。

私が主人公にしようとしている女優さんは、あまり強い印象を持たない方です。物語を進めやすいのではないかと思い、性格や職業などを自分に近くしようとしたのですが、その結果のプロフィールが、まぁ面白くないんです。しかしこれはよくないのです。

ずっと脳内で付き合うことになるのですから、貴方にとって非常に気に入る存在にしてください。

松岡圭祐
小説家になって億を稼ごう(新潮新書)

で、プロフィールを壁に貼って10日後に、職業を変えました。他にもうひとり、どうしてもピタッと来ない職業の人がいたのでそちらも変えました。

ようやく登場人物たちが落ち着いたのは、準備をはじめて2週間後でした。

狭い場所なので、一人一枚とはいきませんが……

動きを空想し、自発的に動き出すのを待つ

壁に貼った彼らを眺め、登場人物たちの動きを空想する。

毎日、壁に貼った彼らを見ています。少しは空想ができますが、私の脳内で彼らに生命を与えることができるのか、はなはだ疑問です。私は、自分は空想ができる人間だと思っていましたが、空想する能力に乏しい人間なのかもしれないと思いはじめています。

脳内初心者なのかも。文字の力を借りました

壁に貼って一週間たった頃、文字で少し彼らの日常を書いてみました。壁にではなく、PCのメモなので、閉じてしまえば見えなくなります。本には、壁に書き込むと想造が固定されてしまうとあります。でも、壁には何も書き込まず、PCの文字を借りて空想を助けるのならOKなんじゃないかな?と思ってのことです。

脳内だけで空想するよりも、少し人物像が詳しくなりました。でもその後、やはり脳内だけではどうにもならない気がします。脳内想像能力についてはひどい初心者なのかもしれません。

これがもしかしたら「想造」を妨げるかもしれないと思いながらも、こうしないと私の空想は広がっていかないので、PCの文字の助けを借りて空想を広げることをもう少し続けようと思います。

2021.8.9(月)以後続く

8.15 続き

彼らの一場面を文字で書きながら想像することにより、徐々に人物のまわりが見えてきました。

風景の画像が増えました。

ストーリーとしては何も考えていません。人物をひとりずつ思い浮かべ、「この人の家はどこで、朝は何をしていて、職場はどこで、家族はどんなで、よく行くところはどこで、誰と接点があって、あの人のことをどう思っていて、ちょっとしたエピソードがあって……」などと想像をしました。

家はどこで、職場はどこで、と考えながら、Googleマップとストリートビューであちこち探し回りました。「ここなら朝学校へ行くときにここを通るからこの人を見かけるかも」「ここはこの人の職場と近いから顔見知りだ」「この人とこの人は家が近いからきっとよく話をしているだろう」とか、色々想像するのは楽しかった!(^^)

ようやくプロフィール設定が終わったというところです。落ち着いたと思ってからさらに1週間。最初に壁に登場者たちを貼り付けてからほぼ3週間が経っています。

登場者たちの人間関係を空想する

そして、彼らの人間関係を空想していきます。ひとりずつ取り上げて周辺を想像するところから、二人か三人が一緒にいる場面を思い浮かべて、なぜ同じ場面にいるのか、前後にどんなことがあったのか、と想像します。

登場者12人をそれぞれ何らかの形でつながるように、つながっていない人同士を同じ場面に入れてみました。そうすると、少しずつエピソードが増えていきます。

話をつなげようとはしていなくて、ワンシーンをいっぱい想像しているという感じです。これがやがてきっと、つながって動いていくのだろうと思います。

(本によると、もし登場者たちがうまく動かないのならキャスティングミスだから、気に入らない登場者を壁から剥がし、別の登場人物を作って入れ替えるのだそうです)

そして……やっぱり私は文字の力を借りています。ただ、一度書いたものを書き足すのではなく、そのつど新規ファイルを作って書き付けています。

なかなか、脳内だけで空想をするところまで行けません。

2021.8.15(日)以後続く

8.22 続き

前回8/15は昼間に書き込んだのですが、日常的なことばかり空想していて、正直すこし飽きてきたなと思っていました。そして夜になってまた壁を眺めたときに、

私の空想だから、私の好きなように空想すればいいんだ

と、当たり前のことに気付きました。私は現実のこの世界が苦手です。わからない事とどうしようもない事と辛い事が渦巻いているこの世界だけを舞台にするなんて、私には何の意味もないのです。

自分の空想だから、自分の好きなように

少し不思議なことを空想してみよう。非現実の物語だという安心感を得よう。私らしさのひとつはそういうことだ。そう思ったら、あらたにエピソードが浮かんできました。

よし!

ところがしかし。その後一週間ほど、そのエピソードがうまく進展していきませんでした。今まで通り文字の力を借りましたが、何か書いてもそれがそれまでの空想とうまく噛み合っていかず、ついに8/18を最後に、文字を書きながら空想するのをやめました。文字を書かずに、頭の中だけで空想しはじめました。

脳内、という感じではないのです。頭の中、という感じなのです。同じことかもしれませんが、文字から受ける印象はかなり違います。もっと没頭できる感じ、「脳内」に近づきたいのですが。

そして、昨夜から今日にかけて、やっとあらたな進展が浮かんできました。

ここまできて思うのは、はじめに各人物の周辺や人物同士の関係を色々想像したことがちゃんと役に立っているな、ということ。想像を進めながら少し修正することはあったけど(今もあるけど)、これらが想像を助けてくれる大きな力になっていると感じます。

それから、もはや誰が主人公なのかわからなくなっています。(笑)

私の物語はまだまだ序盤です。この記録ももうしばらく続きます。

2021.8.22(日)以後続く

9.2続き

少し間が空きました。8.24に新しい展開を想像してから、その先が進まなくなってしまったのです。

本によると、一週間じっくり考えても解決不能ならそこが物語の「転」、山場だそうです。この地味な場面が山場なのかなと疑問に思いました。しかし動きは地味だけれど心の中は今までになく波乱に満ちているので、やはりこれが私の物語の山場なのだろうと理解しました。

逆打ちプロット

そして、本の指示に従い、逆打ちプロットというのをやってみました。「転」からの経緯はいっさい考えずに、物語の結末を好きなように想像し、そこから少しずつ時間をさかのぼりながら空想して「転」に近づけていくのだそうです。このときだけはごく簡単にメモをとりながらやるのだそうです。

この作業の結果、私の物語はいちおう結末までつながりました。おお、やればできるもんだ。(驚)

最初から最後まで空想し直し、夢中になって楽しめるレベルになるまで

この後は、この物語を再び、最初から最後まで順を追って空想し直します。想像の中に浸りきって楽しむのだそうです。それも、連日、何度も繰り返して。これによってより面白い事を思いついたり、無駄な部分が捨てられたりしていくそうです。

夢中になって楽しめるレベルになるまでこれを続ける。もし思い出すのが苦痛なら、それはその物語のつまらなさの証拠。って、厳しい……。もしつまらないのなら登場人物を入れ替えて想造のやり直しだそうです。(-_-;)

冒頭から結末まで「難なく」思い起こせるようになってから、初めて、あらすじを書きとめてよいとのこと。

ということで、そのレベルになるよう頑張ります。

2021.9.2(木)以後続く

9.13続き

一週間と少し、冒頭から結末まで「難なく」思い起こせるようにならず困っていました。ほぼ同時期に離れた場所で起こる出来事を、どううまく並べるかがうまく行かず、つっかえて先に進めませんでした。

仕方なくそこを飛ばして思い起こしてみるのですが、いろんな出来事がまたごちゃごちゃしてきて整理がつかなくなりました。私はこれらを空想だけで並べ替えて整理する能力がないのだと感じます。それなら仕方ない。

あらすじを書く

冒頭から結末まで難なく思い起こせるようになってはいないけど、私はあらすじを書き始めました。

まず40字×3行で物語をまとめる、とのこと。5W1Hに気をつけて、しかし文としての体裁は気にせず書く。1行目と2行目、2行目と3行目で状況が大きく変化しているかどうか。

OK。物語はいちおう完結をみているので。

次に、やはり40字で5W1Hに気をつけながら、1幕を10行、2幕を20行、3幕を10行で書く。

ああ、ここで出来事の前後を考えることができる、頭の中でできなかったことを文字の力を借りてできる、と思いました。

そしてこれにけっこう時間が……3日くらいかかりました。1幕の出来事の順がうまくいきましたが、3幕めが10行埋まらなくて、書きながら空想しながらをしばらくやりました。3幕目が書けたあと、2幕目を少し直したくなりました。

実を言うと2幕目後半部分は私の空想ではわりとあっさりと過ぎてしまっていて行が埋まらなかったので、ある人物の行動を少し派手にして出来事を書き足しました。でもそれが不自然で、やはり空想のほうを採用し、小さな動きを追っていくことで行を埋めました。

これでいちおう、3行+40行ができました。

このあとは、5W1Hも文字数も文としての体裁も気にせず、頭の中にあることをすべてこの43行の間に書き付けていくとのこと。はじめから書く必要もなく、各部のボリュームのバランスが崩れても気にしなくてよいとのこと。

これが終わったら、続きを書きます。

2021.9.13(月)以後続く

9.17続き

あらすじを書き終えました。グーグルドキュメントを使い、2日間ずっと書き続け、いちおう最後まで書けたのでそれをPDF化してiPadに入れて、一晩おいて抜けがないか見直しをし、少し直しを入れて終わりとしました。

順番に書く必要はないとのことだったので、はじめに1幕、次に3幕、それから2幕の前半と進み、最後に2幕の後半を埋めました。2幕後半は小さな動きを追っていく部分で、主人公のくるしい状況を書かねばならなかったので、楽しい気分ではなかったのですが、それでも書き終えたらけっこうな分量になっていました。

以前に「 もはや誰が主人公なのかわからなくなっている」と書きましたが、結局は予定通りになってくれました。ただ、脇役のメインとサブの人たちが少し入れ替わった感じです。

あらすじは全部で2万4千字を超えました。 10万字の小説のあらすじが2万4千字とは。

本来なら印刷をするのですが、iPadで見直せるのでこのまま執筆に入ろうと思います。

私を安心させてくれた著者の言葉

この 「小説家になって億を稼ごう」 で私が何よりも安心できたのは、小説を書こうとする読者を無条件に肯定してくれる著者の言葉でした。

 デビュー作は「自分の職業に基づいた話のほうがうまく書ける」とか、「自分の生い立ちを元にするべき」とか、いろいろ小説の作法を聞いたことがあるかもしれません。しかし今はそれらにとらわれないでください。『想造』で物語を構築するうち、貴方らしさは自然に出ます。

松岡圭祐
小説家になって億を稼ごう(新潮新書)

 『想造』は部分的に、既存の映画や小説に似た展開をたどるかもしれません。貴方の脳による空想である以上、いままで吸収してきた物語が影響するのは当然です。しかし貴方の人格や知識は、自然に物語全体に反映されていきます。心配せず『想造』を続けてください。

松岡圭祐
小説家になって億を稼ごう(新潮新書)

 人それぞれに個性があり、みな特別な存在です。貴方が『想造』によって紡ぎだした物語は、貴方の性格や経験、知識、嗜好などが結合した、けっして他人には想像しえないものになります。面白くないはずがありません。

松岡圭祐
小説家になって億を稼ごう(新潮新書)

 あらすじには「物語のテーマ」が内包されていなければならない、と堅苦しく考える人もおられるかもしれません。けれども『想造』を経て作り出したのなら、貴方が訴えたいテーマは自然に織りこまれています。登場人物が直面する苦難も、その先に見えてきた結末も、貴方の思考に基づく人生のシミュレーションだからです。これが小説の面白さであり醍醐味でもあります。わざわざ哲学的教訓を付け加える必要はありません。

松岡圭祐
小説家になって億を稼ごう(新潮新書)

たくさん引用してしまいましたが、これらの言葉にこれ以上ない安心感をもらいながらここまで進んで来れたということをお伝えしたかったのです。どうぞご容赦ください。(-_-;)

『想造』では設計図やキーワードなどを何も用意することなく、ただただ空想のみで物語を作っていきます。頼りになるのは自分の空想、自分の記憶(?)のみです。「忘れてしまったのならそれは不要だった・必要なことなら覚えているから心配ない」という言葉にも支えられて空想をすすめてきました。

では、執筆がすんだら、続きをご報告します。

2021.9.17(金)以後続く

執筆

9.29続き

執筆がすんでから続きを書くつもりでしたが、しばらくかかりそうなので途中経過を。

あらすじの2万4千字が3日ほどで書けたので、10万字もそれほど時間はかからないだろうと思っていたら、とんでもないことでございました。

執筆初日は、何度も空想した冒頭部分を、あまり迷うことなく書けました。5千字くらい書けたかもしれません。ところが翌日から、どう頑張っても3千字書ければ上等なくらいにペースダウンしてしまい、1千字いかないような日もありました。

あらすじは自分がわかればいいのですが、執筆はきちんと書かなくてはならないので時間がかかるのです。そう。私は本来遅筆なのでした。今なんとか頑張って3万1千字を超えましたが、この調子でいくとあと3週間はかかりそうです。

ただ、物語は最後まで見えているので、表現や順序に迷うことはあっても、「書けない」ということはありません。

悔やまれる(?)のは、あらすじに入る前に「 冒頭から結末まで難なく思い起こせるように」しておけばよかったということ。

出来事の順番や、場面の詳細な流れなど、もっと何度も何度も空想して物語を「想造」しつくしておけば、あらすじに書いた順番がマズくて執筆時に入れ替えたりなどしなくて済んだのではと思います。執筆時間の節約のために、想造にもっと時間を使うべきでした。

さあ、根気が尽きる前に何とか残りを書き上げなくてはなりません。頑張ります。

2021.9.29(水)以後続く

10.12続き

昨日ようやく、第三章の執筆に入りました。前回9/29には第二章に入っていたので、第二章に二週間以上かかったことになります。

あらすじで割り振った通り、物語は三章で構成され、第一章と第三章はそれぞれ25%、第二章は50%の文字数にするというルールがあります。全部で10万字以上が必要ということで、私は最低ラインの10万字を目標にしています。現在、8万字を超えたところです。

第二章に入ってからも苦闘は続きました。その苦闘をご報告いたします^^;

でも、苦闘のわりには楽しかったんですけど……笑

まず、登場人物についての問題点がここで明らかになりました。
第二章の重要人物ふたりが、最初の登場人物設定に入っていなかったのです。
主人公の身内の人物なので、はじめの設定には入れていなかったのですが、想像していくうちに重要人物になってしまいました。

かといって、すでに決まっている登場人物のなかから名前を変更してその役に変えるというのはしにくい事でした。仕方ないのでそのまま執筆を進めました。自分の身近な人を思い浮かべつつ書いてたので、それほど困りはしませんでした。でも、やっぱり少し感じが違うなあと思い始めたので、俳優さんをさがして、その役を登場人物に追加しました。

俳優さんを決めると、その人物の行動を想像しやすくなるのが実感できました。

これは第二章を書き終わってからプリントしたものです。二人の俳優さんを加えてその役を追加、さらに最初からいた俳優さんを一人、別の俳優さんに変更しました。本当は、最初に決めた俳優さんになるべくそのままいてほしいと思っていたんですが、最後までどうしてもピタッとこなくて、やむを得ずこの段階で入れ替えることになりました。役柄はそのまま、年齢だけ俳優さんに合わせました。
二人追加しましたが、はじめからいた人たちのうち、入れ替えた人を含めた二人はほとんど物語に出てこないので、人数としては辻褄があっている感じになりました。

新しい登場人物表。キャラクターがたくさん揃っているので、別の物語も書けそうな気がします

それから、ところどころ辻褄が合わなくなってるという問題。

毎日執筆を進めながら、
「あれ、この説明ってどこにも書いてないんじゃ?」とか
「こう書くならあそこで一文追加しなきゃ」とか
「ここで書いたのと前に書いたのと設定が食い違ってる」とか
まあ、色々ありました。

ストーリーが破綻するということではなく、すべて細かいことではあるのですが。

第二章の半分以上を書いた時点で、このまま進めるのはマズいと思ったのでいったん中断しました。そして最初から全部をチェックして、辻褄の合わないところを合わせて、スッキリしてからその後を続けていきました。一日何文字という計算どおりには進まないということを痛感しました。
とくに私は「前日に書いたものを推敲してから今日の分を書く」ということを、まどろっこしくて早々にやめてしまっていたので、その影響もあったかもしれません。

そして、第二章を全部書き終えてから、文字量の調整をする必要があったこと。

分量のバランスをとる必要があるのは納得できます。でも、各章の分量をそのようにするために、削りたくないところを削ったり、無理に文章を書き加えたりしなければならないだろうと思ったので、多少の疑問はありました。

しかし実際にやってみると、削ることでわかりやすくなったり、書き加えることでまたわかりやすくなったりしていきました。削るべき部分をさがしたり、足りない描写をさがしたりするので当然とも言えます。

ようやく残り20%ということろに来ましたが、書き終えたら何度か読み直して推敲をかさねたいと思っています。

書籍の指示通りにするなら、小説が完成したら出版社に連絡を取り、紙の本の出版を目指すという流れになります。キンドル出版はすべての出版社に断られた場合の最後の手段として紹介されています。

しかし、私ははじめからキンドル本として出版するつもりで書き進めてきました。個人のキンドル出版は自分ひとりの作業となるのが弱点ではありますが、出版までに時間がかからず価格設定なども自由にできるという良い点もあります。「自分の作品を試してみる」というようなことができる場でもあると思います。

とにかく、いちおうの書き上がりまであともう少し、頑張ります。

2021.10.12(火)以後続く

10.18続き

いちおう、最後まで書き終えました。

第三章の三分の一くらいを過ぎたあたりから、よく眠れなくなりました。寝付けないのではなくて、眠ってもすぐ目がさめるのです。そして書き進めるのですが、寝不足なのでグラっと眠くなります。眠ろうと思って横になるのですが、30分くらいで目がさめます。
こんな状態はほんの数日でしたが、あまり経験したことはなかった気がします。

執筆の終盤に異様な興奮があれば、あらすじの小説化がうまくいっている証拠です。

松岡圭祐
小説家になって億を稼ごう(新潮新書)

このように書いてあったので、異様な興奮とはどんなものだろうと楽しみにしていたのですが、どうもその「異様な」ものは私には訪れなかったようです。興奮はしていたかもしれないのですが、ただ気になって眠れなかっただけでした。

最後の残り5,000字のところあたりから、書いては削除、書いては削除で時間がかかるようになってきました。あらすじはできていたものの、やっぱりどうまとめればいいのか、迷いました。

そして昨日、やっと最後のまとまりを一日かけて書き終えました。10万字の物語ができました。信じられないことに。(!!!)

推敲

10月末にはキンドルストアに登録すると決めたので、推敲のための時間がわずかしかありません。

今までずっと横書きで書いてきたのですが、少しでも違う目で見るために、縦書きPDFにしてiPadで読みながら赤ペンを入れています。

正直に書きますが、私はとくに本好きではなく、昔話が好きなだけなので、小説はあまり読んできませんでした。好きな作家さんもとくにいません。

そのせいばかりでは決してないのですが、語彙力が自分で残念に思うほど乏しく、文章表現も同様でした。もう少しピタッと表現できる言葉はないかと、類語を常に検索していました。たぶん、誤字もたくさんあると思います。もしも校閲を受けられるのなら受けたい、プロの作家さんが羨ましいと何度も思いました。

これを機会に、少し小説を読んでみようと思います。(こんなわけなので、執筆時に必要だった「文章表現の参考にするための尊敬する作家さんの本」が用意できませんでした……)

2021.10.18(月)以降続く

10.29続き

直しても直しても直す所が見つかる……のですが、そろそろこのへんで終わりにすることにします。

誤字脱字・漢字かひらがなか、というあたりを最初に直しました。
それから、同じことを別の場所で二度説明してるなどの整理できていないところをチェック。
空行をいれたほうがよい箇所もチェック。
ひとかたまりの中での視点を誰にするのか、セリフが不自然じゃないか、表現がうまくできてるか、絵にしたときに違和感がないか。説明のしつこいところを削り、私の文章で頻出する「言った」を極限まで消し(笑)、などなど繰り返し。この量を何度も読み返すのもキツかったです。

重要なシーンの文章がピタッと来なくて、毎日のようにその場所に戻ってきてました。

文字数が多いということもありますが、それにしても一つの作品にこんなに時間をかけたことは今までありませんでした。しかし実際にやってみると、これが本来の姿、本来の時間のかけ方っぽいよねと実感します。

文章のスタイルは違うものの、4,000字ほどのものを1~2日で書いてさっと見直しておしまいにしていた過去の自分は何なのだろうと今思ってます……

書き上がったときには10万字とほんの少しあった文字数が、推敲後には3,000字以上減りました。これってもし10万字以上の賞に応募しようとしてたら失格ですね……。
はじめに10万字+5%くらい書いておくべきでした。でも応募するわけじゃなく、Kindle出版するだけなのでこのまま行きます。

ワープロソフトを使っていたので、テキストファイルに書き出して加工し、でんでんコンバーターにかけてEPUBファイルができました。これを最終チェックしたのちに、キンドルストアにアップロードとなります。販売開始になりましたら追記でお知らせします。

2021.10.29(金)以降続く

10.31(日)続き

EPUB形式にしてからも直しが見つかったりして、少し時間がかかりましたが、ようやく30日深夜にキンドルストアにアップロードできました。
31日朝に販売開始になりましたので、とりあえずご報告いたします。

橋の上で Kindle版 490円 (小説用に、別の著者名を使いました)

Amazonでの購入方法(Kindle本の購入方法)はこちらでご紹介しています。

「想造」で物語を作ることの意味

大事なことを書き忘れていました。

たぶんこれが脳内だけで物語を作ることの意味だと私は思ったのですが、「こんな出来事をよくも思いついたなぁ……」というシーンが多いのです。

たしかに、普段自分がなんとなく考えていることや、意識下にあるだろうことなんかがひじょうにたくさん盛り込まれています。
でもどれも、ただPCに向かって考えていても出てこなかっただろう、っていうシーンばかりでした。

文字を目で追いながら物語を作るのと、目を閉じて空想に物語を委ねるのとの違いを見ることができた気がします。

実験まとめ 「想造」は可能でした!

脳内で、本一冊になるような長編の物語を「想造」することは可能なのか?

という疑問から実験をはじめましたが、私に限って言えば、

「想造」は可能でした。しかも楽しい!

という実験結果が出ました。おかげでKindle本が一冊できました。そして私の脳内には登場人物たちが生き続け、次の出番を待っています……

小説家になって億を稼ごう」という本に出会えたことを心から感謝します。この歳になってまだ新しい楽しみが見つかるとは思いませんでした。記事冒頭で胡散臭いとか言って本当にごめんなさい。(-_-;)

2021.10.31(日)

* * *

親切なご支援に感謝します、ありがとう! Thanks for your kind help!
この記事を書いた人
たまに、加賀 一
そだ ひさこ

子ども時代はもちろん、大人になっても昔話好き。
不調で落ち込んでいた30代のある日。記憶の底から突如、子ども時代に読んだ昔話の場面がよみがえる。その不思議さに心を奪われて、一瞬不調であることを忘れた。自分は昔話で元気が出るんだと気づいた。

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コメント

  1. 文緒 より:

    ご無沙汰しています。
    来るたびに久子さんの色々なブログの色々な記事に不時着するので、時系列正しく終えていないかもしれませんが、失礼します。
    10月頃、小説が書きあがるというお話だったのですが、どうなりましたか?
    キンドルを読むためには私の方で用意しなくてはいけないものがあるようで、環境が整うまで時間がかかりそうですが、久子さんの処女小説、楽しみにしています。

    • そだ ひさこ hisako より:

      文緒さん、コメントありがとうございます。
      10月頃、まさに今頃には書き上がりが見えるんじゃないかと自分なりに予測をして、文緒さんのコメントに返信しました。
      しかしそう思うようにはいかなくて^^;
      今ようやく文章量としては80%になったのですが、書き上がった後に細々した直しをしなければ……と痛感しています。

      こんな状況を考え合わせると、出来上がるのは10月末あたりになるかなと思います。
      この記事も9/29のままだったので、そろそろ近況を追加しようと思っていたところです。

      完成前から楽しみにしてくださっている(ありがとう!涙)文緒さんのためにも、自分のためにも、かならず完成させるつもりです。おまたせしていて心苦しい限りですが、毎日執筆を続けていますので、もうしばらく、見守ってやってください。

      キンドル本を読むために必要なものは、Amazonで買い物をするための、Amazonアカウントです。他にはたぶん、すでにお持ちのPCなどで事足りるはずなので、端末などを購入する必要はないはずです。
      詳細は後日、完成のご報告とともに記事にするつもりなのでお待ちになっていてください。

  2. 文緒 より:

    焦らず急がず、のんびり楽しんでお書きくださいますよう。
    そして良く睡眠をとってくださいますよう。
    体と心が資本ですよ!

    • そだ ひさこ hisako より:

      ありがとうございます。
      もうほとんど出来上がったので、出版手続きなどが終わったら、ひとまず全部忘れて眠ります(笑)

  3. cingieiino より:

    同著を最近購入し、こうやって人気作品を生み出したのか、と驚きながら読み終えました。
    自分もこのやり方で書いてみよう、でもできるかな、などと思っていましたので本ブログは大変参考になりました。

    特にプロフィールを分割して貼っているところ、ナイスアイデアだと思います。本文では一人につきA4用紙1枚となっていましたが、子供もいるしで広さ的にそんな余裕もなくどうしようかなと考えていた中、こういう手段のあるのだな、と思いました。

    そして、実際に”想造”で書き上げたという事実、しかもキンドルで発売されたという実績、すごいなあ、と思うばかりです。

    有意義な発信、ありがとうございました。

    • cingieiinoさん、コメントありがとうございます。

      私も驚きながら読みました。
      そして、こんなにも自分の中身(?)だけを頼って物語を進めていいんだ、と勇気ももらいました。

      > プロフィールを分割して貼っている
      そう、コピー用紙を12枚も貼れるほど自由にできる壁がなかったので…

      本当にできるのかな?と思ったのがこの記事を書くきっかけでしたが、少しでもどなたかのお役にたつことができたようで嬉しいです。
      好きな俳優さんたちが自分の想像の中だけで物語を繰り広げているという状況がとてもとても楽しかったのを思い出します。
      この楽しさに支えられてなんとか書き終えることができました。

      こちらこそ、拙い記事を読んでくださってありがとうございました。

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